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編集長のズボラ料理(462) 鶏と岩津ネギの焼き炒め

岩津ネギは緑と白の部分の両方を使う

 「鴨が葱(ねぎ)しょって来る」とは、好都合のことや、獲物がまんまとやって来ることを言う。知ってはいたが、文章に書くため、再確認の意味でグーグルで検索した。
 ビックリしたー!略語でもいいと思い、「カモネギ」と打ち込んだら、出てきたのはポケモンのキャラクターの「カモネギ」ばかりだったのだ。
 ポケモン自体よく知らないで、カモネギが登場キャラクターなどとは想像もしなかった。「鴨が葱をしょって来る」の意味を調べているのに、好都合でも何でもない。
 絵を見ると、鳥がネギを持っている。しかし、分類が「かるがもポケモン」で、高さ0.8m、重さ15.0Kgと知っても、僕が文章を書くうえで、何の役にも立たないではないか。特性が「するどいめ」と「せいしんりょく」だとしても、「もっているクキはぶきで、いろいろなものをきることができる」では困るのだ。
 仕方がないから、「鴨が葱をしょって来る」と打ち直した。「カモネギ」に比べれば、6文字も多く打たければならなかった。
 鴨とネギはよく合う。滋賀縣・近江今津、丁子屋の鴨鍋にも、大きく切った青ネギが入っていた。福井県・大聖寺の「山ぎし」の鴨鍋にもネギは入っていた。鴨にネギはつきものだ。
 問題は鴨である。デパートに入っている鳥の専門店で時々買うことがあるが、合鴨の大きい1枚が3000円もする。しょっちゅう買っていたら、カモにされるから、なるべくその店の前を通らないことにしている。
 そこで、鶏にする。これならデパートに行かなくても、スーパーで買える。専門店の誘惑に負けることはない。
 鴨でケチる分、ネギで勝負をかける。冬になると、岩津ネギが登場する。兵庫県朝来(あさご)市の特産ネギ。太目の九条ネギといったところで、緑の部分も白い部分も使う。
 大阪ではあまり出回わないのが残念だが、車で現地に行くと道の駅などで売っている。機会があれば出かけるのをお薦めする。
 皮のついたぶつ切りの鶏を使う。塩、コショウをし、オーブンで焼く。フライパンに油をひき、ざく切りの岩津ネギを炒める。味付けは白だし。最後に焼きあがった鶏を加え、ネギと一緒にサッと炒めて、皿に盛る。
 岩津ネギがなければ、太目の青ネギを使う。もしくは、現地に買いに行ってくれるようなカモを見つける。(梶川伸)

更新日時 2020/12/08


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