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編集長のズボラ料理(395) 牛肉と菜の花炒め

菜の花の緑の色が残るように

 大寒を過ぎると、春を感じたいと思う。その点、僕が住んでいるのは半田舎だから、感じやすい環境にある。
 自宅玄関から歩いて2分でイオンの食料品売り場に行ける便利さがある一方で、20分ほど歩けば田んぼがあり、結構自然に恵まれている。あぜや田舎道には、さまざまな植物が生えている。
 そうだ、フキノトウを取りに行こう。暖冬だから、もう顔を出しているだろう。そう思いついたのは、1月の末だった。そこで意を決し、特に温かい日を見計らって、フキノトウ密集地に探索に出かけた。レジ袋を持って。大層に書いたが、ゆっくり歩いて15分の近場である。
 現地に着いてあ然とした。フキノトウが1つもないではないか。時期が早かったからではない。逆だった。すでにフキノトウの時期はすぎ、まだ背は低いながらもフキになり、葉が広がって一面の緑だった。暖冬のせいに違いない。春が訪れる前に、春を感じるのは難しいもんだ。
 その反省から、次の手を打った。フキノトウが終わって3日後、ツクシがたくさん出る場所に探索に行った。春を感じるために、2度と失敗は許されない。春の前に春を感じる期間は短いのだ。
 一刻の猶予もできない。暖かい日を待ってはいられない。寒い日だったが、意を決してツクシの群生地を目指した。大層に書いたが、10分あまり歩けば行き着くので、見つからなくても、大したロスはない。しかし、この軟弱さがあだとなった。
 現地にツクシの姿は全くない。スギナも全くない。もっと思いを強く持っていなかったせいだ。
 それにしも、その場の状況からは1カ月ほど早かったように思える。それなら暖冬の影響はないではないか。ツクシは春には案外鈍感なのだ。
 帰りに自宅前のイオンに寄った。。菜の花を売っていたので、迷わず迷わず買った。春は意外と身近に感じらえるのだ。
 菜の花は半分に切り、少しの塩でサッとゆでるてざるに上げ、水分を切っておく。牛肉を油で炒める。しばらくして菜の花も加えて炒める。味付けはだしの素、砂糖しょうゆ、酒。
 春を感じるのは案外安い。牛肉は細切れを買えばしい、菜の花は1束150円ほどだから。(梶川伸)2020.02.11

更新日時 2020/02/11


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