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編集長ズボラ料理(393) チーズ土手焼き

チーズがちょっと焦げた程度がいい

 朝はご飯とみそ汁に決まっている。それに玉子焼きと漬け物があれば、それにかなうものはない。さらに焼いた塩ザケがあれば、1日はパーフェクトで始まる。
 長い間、そう言ってきたし、そうしてきた。だから、朝に食パンなど縁はなかった。フランスパンのバゲットなど問題外だった。第一、バクバク食べたら、口の中が血だらけになって、仕事や遊びに行くこともできない。
 と偉そうに書いてしまったが、「朝は」としたのにはわけがある。昼となるとちょっと違うのだ。メンタイコのフランスパンが出てきて、大きく状況が変化した。実はこれが大いに気に入った。
 毎日新聞に勤めてるころ、改装前の大阪市・梅田、阪神百貨店の地下でしばしば買った。地下の東入り口と西入り口にパン屋さんが入っていて、交代でメンタイコフランスを買ってみた。2つの店で値段が10円ちがったので、どちらを買うべきなのかを、とことん追求していたからだ。
 大体は会社に持って帰って食べたが、急ぐ時には会社までの地下通路で食べた。急げば急ぐほど、口は血だらけになり、急ぐ時にメンタイコフランスは適さないことを身をもって知ることにもなった。
 「朝は」にはもう1つ理由がある。思い出したことがあるからだ。ピザトーストなるものが出てきて、状況が大きく変わった。30年ほど前のことで、当時はピザがポピュラーではなかった。出前の店などほとんどなく、スーパーでも冷凍ピザは見かけなかった。
 ピザの店に行く機会は少なく、そこで家で食パンにチーズを乗せトースターで焼き、休みの日に昼ご飯として食べ、大いに悦に入った。溶ろけるチーズがおしゃれに思えたのだった。
 かくして、ピザトーストは昼だけでなく、朝ご飯のラインアップに入ってきた。朝はご飯とみそ汁か、ピザトーストに決まっているのだ。溶ろけるチーズの力は日本の伝統文化も打ち砕くほど強い。
 つまりは、何でもかんでも溶とけるチーズを使えば、おしゃれになるのだ。そこで、大阪名物の土手焼きでためしてみる。
 すじ肉をしばらくゆでてあくを抜き、いったん取り出す。コンニャクは食べやすい大きさの角切りにする。だしを取り、ニンニク、砂糖で、すじ肉とコンニャクを煮る。途中でしょうゆを足し、最後にみそを入れて煮込む。食べる量を器に盛り、溶ろけるチーズを乗せて、オーブンで焼き、チーズを溶かす。大阪の伝統文化も、溶ろけるチーズンにはかなわない。(梶川伸)2020.01.30

更新日時 2020/01/30


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