寺の花ものがたり(226) 正暦寺(奈良市)の紅葉(11月下旬~12月初め)
正暦寺は、奈良の紅葉の寺の代表格といえる。寺は公共交通機関では行きにく場所にある。便数の少ないバスで行っても、最後は2キロほど里山の道を歩くことになる。だからこそ、出会ったモミジの印象は強い。
ただし、紅葉の時期はJR奈良駅、近鉄奈良駅から直通の臨時バスが出る。前回訪ねた時も、このバスを利用した。
寺は山間にある。平安時代はいくつもの僧坊立ち並んでいたようだが、今は堂宇はわずかで、その代わり境内は木々に覆われている。その木々の主役がモミジで、秋には山を赤く飾る。
バスが止まる場所から、川沿いに少し歩いて行く。この道筋もモミジ並木がなっている。
鐘楼が一段高い場所にあり、その周辺はモミジ木が密集している。午前中に登ると、ちょうど紅葉が逆光になり、葉に透明感が出て、美しさが増す。葉の小さいモミジが多く、日にチラチラろ輝く。
◇正暦寺(しょうりゃくじ)◇
奈良市菩提山町157。0742-62-9569。柳茶屋バス停から2キロ。992(正暦3)年、一条天皇の勅命を受けて兼俊僧正(藤原兼家の子)によって創建された。1180(治承4)年、平重衡の南都焼き討ちの際、その類焼を受けて全山全焼し、衰退した。現在は、福寿院客殿と本堂・鐘楼を残すのみ。本尊は薬師如来。清酒発症の地とされる。境内は一部有料。
=状況が変わっている可能性がありますので、ご了承ください(梶川伸)2019.11.22
更新日時 2019/11/22