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寺の花ものがたり(225) 法起寺(奈良県斑鳩町)金木犀=10月中旬~下旬

2019年10月18日撮影

 法起寺に行ったのは、金木犀(きんもくせい)が目的ではなかった。周辺の休耕田を使って、コスモスを植えている。コスモスと三重塔の組み合わせは、写真の被写体としていい。そのための訪問だった。
 残念ながら台風19号の後だったので、倒れたり、傾いたりするものもあって、少し残念だった。
 せっかく近くに行ったので、法起寺にも参拝した。小さな山門をくぐる。境内はこじんまりしている。池があり、三重塔がある。塔の屋根のひさしは下の方ほど大きく開き、ドッシリして安定感がある。
 山門をくぐったとたんに、金木犀の香りが漂ってくる。さすが、香りの強い花だ。
 木は4本。聖天堂のそばに3本が固まっていた。それほど大きな木ではない。だから、わざわざ金木犀のために行く必要はないかもしれない。
 しかし、建物との距離感が近くて良い。1つ1つは小さな花だが、咲き誇るとオレンジの雲となり、無彩色の堂宇の前で浮き立つ。香りが境内に流れ、秋の境内の大事な脇役となっている。

◇法起寺(ほうきじ)◇
 奈良県斑鳩町大字岡本1873。JR法隆寺駅から北東約2.5キロ。法隆寺、四天王寺、中宮寺などとともに、聖徳太子が建立した七カ寺の1つに数えられる。三重塔は高さ23.9メートルで、慶雲3(706)年に建立されたとし、国宝に指定されている。本尊は十一面観音。拝観有料。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2019.10.19

更新日時 2019/10/19


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