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心にしみる一言（170）　青森から山口まで日本海を見たが、ここ（久僧）が１番きれいだ

◇一言◇
　青森から山口まで日本海を見たが、ここ（久僧）が１番きれいだ

◇本文◇
　１５年近く前、自転車で京都府の丹後半島を走ったことがある。宮津市の天橋立で自転車を組み、京丹後市弥栄町まで約７０キロ。快調に走っていたが、舟屋で知られる伊根を過ぎて軽い登りになった途端、バテてしまった。
　熱中症に近い状態だったと思う。自動販売機でお茶を買っては水筒に詰め、走りながら飲んだが、追いつかなかった。跡から知ったが、その年で１番暑い日だった。
　どうにもたまらず、丹後松島の一角、久僧海水浴場で休憩した。駐車場のおじさんと話をして、取り上げ得た言葉が返ってきた。
　その人は画家で、パリでも個展を開いたことがあると自己紹介した。絵の題材を探すため、青森から山口までの日本海を見て回ったという。久僧の海が気に入り、１カ月の駐車場のアルバイトをしながら、居座っているという。
　体を冷やす意味もあって、海に入ってみた。水は透き通っていた。さざ波に太陽が当たってできる網目模様が、背の立たないような場所の海底にも写ってきらめいていた。
（梶川伸）2018.10.15

更新日時　2018/10/15

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