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心にしみる一言(169) 本は必ず実物で残す。電子情報でも保存しているが、今の取り出し方法がいつまで続くのかわからないから

国立国会図書館関西館

◇一言◇
 本は必ず実物で残す。電子情報でも保存しているが、今の読み出し方法がいつまで続くのかわからないから

◇本文◇
 国立国会図書館関西館(京都府精華町)が2002年にオープンする際、コラムを書くために取材したことがある。関西館の担当者から聞いた話は興味深いものばかりだった。
 本館は東京にある。そこから320万冊を移動させ、世界でも例がないと話していた。膨大の量の引っ越しのため、新しい本棚には住所をつけた。本には引っ越し先の荷札をつけた。それは「北3A1列1段何%」といようなものだと教えてもらった。「%」は端から何%あたりに置くかという目安だった。
 関西館の本の容量は600万冊。それを2000万冊に増やす新館工事を考えていると言っていたが、今その工事が始まっている。
 本はどんどん増えるわけで、実物を置いていてはスペースはいくらあっても足らなくなる。そこで電子化も進めている。
 それなら実物は残さなくてもよくなるのではないか。そう質問した時に返ってきたのが、取り上げた言葉だった。
 入力するのは手間さえかければできる。しかし、電子情報の技術は進化を続けていて、保存したデータの読み出す方法が変わる恐れがある。今の方式がいつまで続くかわからない。方法が変わった時には、保存データは役に立たなくなる恐れがあると語り、その意味で電子データを信用していないように聞こえた。電子化に突き進んでいく時期に、考えさせられる言葉だった。(梶川伸)2018.10.05

更新日時 2018/10/05


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