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豊中運動場100年(106) 日本フットボール優勝大会/再試合制し御影師範V5

第5回日本フットボール優勝大会のサッカーは、明星商と関西大付属の対戦で幕を開けた

 豊中運動場では最後になる日本フットボール優勝大会(現在の全国高校ラグビーフットボール大会、全国高校サッカー選手権大会)の第5回大会は、1922(大正11)年2月10日に開幕した。ア式蹴球(サッカー)の出場校は18校を数え、8校の参加で始まった5年前の第1回大会から大きく躍進した。
5連覇を狙う御影師範。気迫あふれるプレーの神戸一中。巧みな試合運びの京都師範。2年連続準優勝の悔しさを晴らしたい姫路師範。この4校が軸の優勝争いだった。
 御影師範は大阪工業、明星商に勝ち、準決勝で京都師範を1-0で退けて順調に決勝に進んだ。
 雪辱を期す姫路師範は準々決勝で神戸一中と対戦。1点を争う戦いは15分間の延長にもつれこんだが決着はつかなかった。結局ゴールキック数で神戸一中が勝利を収め、姫路師範は惜敗した。
 神戸一中は甲陽中、姫路師範を破り、準決勝で関西学院高等部に快勝して初の決勝進出を決めた。今までの大会ではいつも御影師範が壁になっていただけに、何としても一矢報いたいと決勝での必勝を誓った。
 御影師範-神戸一中の決勝は、大会最終日・12日の締めの試合となった。この日は既に8試合が行われており、午後5時を過ぎると一気に暗闇が広がり始めた。前半0-0で後半に入ったがこう着状態が続き、ついにボールが見えなくなってしまう。せっかくの熱戦に水を差す日没再試合が宣言された。
 翌13日。午後4時に再試合が始まった。
 前半は神戸一中が優勢に攻め立ててた。しかし、オフサイドを2回とられたことが転機となり、御影師範が息を吹き返した。吉野選手が長いドリブルの末にゴールを決めて先制する。後半も御影師範の勢いは衰えず、追加点を挙げて勝利を飾った。
 御影師範はこれで第1回大会から5連覇を達成した。豊中運動場から会場が移ったあとも優勝を続け、7連覇の偉業を成し遂げている。そしてその後は神戸一中と覇を競う時代がしばらく続く。戦前の中学サッカーは第5回大会決勝から、御影師範と神戸一中の2強時代に入った。(松本泉つづく)

▽1回戦(2月11日)
関学高等部 4-0 海草中
神戸二中  1-0 関学中等部
市岡中   2-0 桃山中
▽2回戦(2月10~12日)
明星商   0-0 関西大付属
      (CK数で明星商)
神戸一中  3-0 甲陽中
御影師範  1-0 大阪工業
池田師範   -  岸和田中
     (岸和田中が棄権)
京都師範  2-0 天王寺師範
姫路師範  1-0 堺中
関学高等部 2-0 市岡中
池田師範  2-1 神戸二中
▽準々決勝(12日)
京都師範  1-0 奈良師範
神戸一中  1-1 姫路師範
    (GK数で神戸一中)
御影師範  2-1 明星商
関学高等部 1-0 池田師範
▽準決勝(12日)
御影師範 1-0 京都師範
神戸一中 2-0 関学高等部
▽決勝(12、13日)
御影師範 0-0 神戸一中
    (日没翌日再試合)
御影師範 3-0 神戸一中

更新日時 2018/02/28


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