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豊中運動場100年(105) サッカー広めた大会出身教員/御影師範、大会4連覇

第4回大会(1921年)のア式蹴球の部は、関西学院中等部と八幡商の対戦で幕を開けた

前回まで、豊中運動場で開かれた日本フットボール優勝大会(現在の全国高校ラグビーフットボール大会、全国高校サッカー選手権大会)第3回~第5回大会のラ式蹴球(ラグビー)について振り返った。今回は同時開催されたア式蹴球(サッカー)について見てみよう。
出場校数に頭を悩ませたラグビーと異なり、サッカーの出場校は順調に増えた。東京高等師範から始まった日本のサッカーは各地の師範学校に広がり、師範学校の生徒が教員になると赴任先でサッカーを広めた。師範学校を核に一気に全国に普及した。
 1920(大正9)年の第3回大会には13校出場したが、5校が師範学校だった。
 1月17日の開幕戦は前年の決勝と同じ、御影師範―明星商の対戦になった。後半に2ゴールを決めた木戸選手の活躍で御影師範が快勝する。
 御影師範は2回戦で神戸二中、準決勝で神戸一中を無難に退けて決勝に駒を進めた。
 一方、優勝候補の姫路師範は、2回戦で和歌山中、準決勝で関西学院を破り、決勝に名乗りを上げた。
18日の決勝・御影師範―姫路師範は、前評判通りの緊迫した好試合になる。激しい攻防戦になった前半は、御影師範が長浜選手のゴールで先制。姫路師範は後半に猛然と巻き返しを図ったが御影師範はさらに3点を加えて突き放し、優勝を飾った。
    ◇
 翌21年の第4回大会は、2月11日に開幕した。
 14校が出場し、前年に続き御影師範と姫路師範を軸にした優勝争いとみられた。
 御影師範は堺中、関西学院中等部に快勝。準決勝は強豪・明星商に対して延長でも0―0の接戦となったものの、コーナーキック数の僅かな差で辛勝した。
 一方の姫路師範は、岸和田中、関西学院高等部を退けた。
 13日の決勝は、2年続けて御影師範と姫路師範の対戦となった。姫路師範は何としても雪辱を果たし、御影師範の連覇を止めて初優勝を決めたいとの意気込みだった。
 しかし試合は御影師範ペースで進んだ。後半、焦りが見えた姫路師範はオウンゴールなどで陣形が乱れ、意気消沈してしまう。御影師範が第1回大会以来の4連覇を決めた。(松本泉)

◇第3回大会(20年)
【1回戦】(1月17日)
御影師範 2―0 明星商
関西学院 6―0 池田師範
和歌山中  ―  堺中
(堺中が棄権)
神戸一中 2―0 神戸高商
神戸二中  ―  岸和田中
(岸和田中が棄権)
明星商  0―0 奈良師範
(CK数で明星商)
【2回戦】(1月18日)
姫路師範  ―  京都師範
(京都師範が棄権)
関西学院 3―0 明星商
姫路師範 4―0 和歌山中
御影師範 2―0 神戸二中
【準決勝】(同)
御影師範 3―1 神戸一中
姫路師範 3―0 関西学院
【決勝】(同)
御影師範 4―1 姫路師範

◇第4回大会(21年)
【1回戦】(2月11日)
関学中等部 0―0 八幡商
(GK数で関学)
奈良師範  3―0 池田師範
関学高等部  ―  和歌山中
(和歌山中が棄権)
御影師範 5―0 堺中
明星商  3―0 京都師範
【1回戦】(2月12日)
姫路師範 5―1 岸和田中
神戸一中 1―0 市岡中
【2回戦】(2月12、13日)
関学高等部  ―  神戸一中
(神戸一中が棄権)
明星商  1―0 奈良師範
御影師範 3―0 関学中等部
【準決勝】(2月13日)
御影師範 0―0 明星商
(CK数で御影師範)
姫路師範 1―0 関学高等部
【決勝】(同)
御影師範 3―0 姫路師範







更新日時 2018/02/20


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