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寺の花ものがたり(120) 妙蓮寺(京都市上京区)芙蓉=8月下旬~9月下旬

2017年8月28日撮影

 狭い道路から寺に入る。山門まで短い参道があり、その両側で芙蓉(ふよう)が迎えてくれる。この辺りは高さ2メートルほど。花は咲き始めたところだった。つぼみはたくさんくけていて、中にはつぼみの先に火がともったように、花びらの赤い色が見えているものもある。
 山門をくぐると鐘楼があり、背の高い芙蓉が囲っている。脚立を据えて、カメラをかめている人が3人いた。ここの花は白とピンク。鐘楼の黒い色をバックにすると、花は浮き立つ。3人はそれを狙っているのだろうか。
 そこから方丈までも芙蓉が続く。一重の白い花が主で、清楚でみずみずみすみずしい。花芯(かしん)のしべの周りりに、5つの小さな紅をさす。八重の白い花もある。ほんのりピンクの花は酔芙蓉かもしれない。そばに咲き終えた赤い塊が見えた。1日花のはかなさを、淡い色で示しているのだろう。花びらの筋が目立つ赤が勝った花もあった。大きな赤い花は強烈な印象を与える。、
 掃除をしていた女性に話しかけてみた。いろいろな種類があるので、9月いっぱい咲くそうだ。期間の長さに驚くと、「温暖化のせいかね」とくちにした。強烈な赤はアメリカ芙蓉で、6月から10月まで咲くとか。

◇妙蓮寺(みょうれんじ)◇
 京都市上京区妙蓮寺前町 寺之内通大宮東入ル。京都市バス堀川寺之内下車、徒歩2分。
字か鉄今出川駅下車、徒歩16分。075-451-3527。本門法華宗の大本山。開基は日像上人。長谷川等伯一派の筆といわれる金碧襖絵は重文。本阿弥光悦の筆による日蓮の立正安国論写本(重文)もある(いずれも宝物殿に収蔵)。境内は自由。方丈などの拝観有料。秋から春にかけて御会式桜が咲く(寺の花ももがたり72回)。
(梶川伸)=状況がかわっている可能性もありますので、ご了承ください2017.08.30

更新日時 2017/08/30


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