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寺の花ものがたり(113) 東寺(京都市南区)蓮=7月上旬~8月上旬

2017年7月11日撮影

 遍路をする者にとって、東寺はなじみ深い寺だ。東寺の御詠歌(ごえいか)に、「身は高野、心は東寺に納めおく、大師の誓いあらたなりけり」がある。大師とは空海=弘法大師を示す。
 空海は宗教上は高野山で生きていて、入定(にゅうじょう)という言葉が使われる。今でも毎日、食事が届けれれている。一方、東寺は真言宗の根本道場と位置付けられている。
 境内は広い。たくさんの堂塔がある。五重塔は高さ55メートルで、日本1の高さを誇る。春はその周りの桜が見事で、黒くてどっしりとした塔との組み合わせにカメラを向ける人も多い。ただし、桜が咲くのは有料のゾーンではある。
 夏が来ると、蓮(はす)の季節になる。蓮池は自由に見ることができる寺がいくつもある。京都・天龍寺は「寺の花ものがたり」58回で紹介したが、東寺もそうだ。
 五重塔から少し離れるが、塔が高いので、蓮と組み合わせた写を写真を撮ることができる。池に淡いピンクの花が咲く。日に当たれば、透き通るような優しさを見せ、大きな緑の葉も、つややかさを増す。そして、背景に黒く沈んだ塔。ますます花の美しさが浮き立つ。

◇東寺(とうじ)◇
 京都市南区九条町1。075-691-3325。JR京都駅の八条口から徒歩20分、近鉄東寺駅から徒歩10分東寺真言宗の総本山で、教王護国寺も呼ばれる。東寺は平安時代に官寺として建立が始められた後、嵯峨天皇から空海に下賜され、真言密教の根本道場として栄えた。本尊は薬師如来。「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されている。境内、拝観は一部有料。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください。2017.07.12

更新日時 2017/07/12


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