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編集長のズボラ料理(170) シイタケのベーコン・チーズ焼き

チーズは少し焦げたくらいがいい

 三重県の中山間地の住んでいる友人が、農産物を送ってくれた時期があった。年齢も高くなり、仕事も持っていたため、自分で作ったものはわずかだった。しかし、近くの親類が作ったものも混じっていたので、種類は豊富だった。
 農地の一部は貸していた。そこで収穫物もよくもらうようで、それをこちらに回そうとすると、量が多くなる。そこで、わざわざ車で持ってきてくれたこともあった。お礼に1杯飲もうにも、車を運転しているからそうはいかない。結局はもらい得となった。
 もらう農産物で1番うれしかったのは、お茶だった。大きなビニール袋に入っていたので、使い放題、飲み放題だった。量が多くなると、ぜいたくになる。麦茶を冷やすような容器にたっぷり入れ、1晩おいて水出しにする。緑色が美しい。それに新鮮で爽やかな味がする。それを味わいながらではなく、ガブガブ飲む。
 食べて1番満足したのはサトイモだった。定番の煮物にした。モチモチ、ネットリで、いつも食べているものと比べると、味も含めてサトイモらしさが違う。だからバクバク食べた。
 届くのが1番待ち遠しかったのはシイタケだった。大きなものを選んでくれているので、しごく肉厚だった。シイタケの傘の裏に軽く塩をふり、オーブンで焼く。そのまま、またはポン酢で食べる。歯ごたえはあるのに軽くかみ切れ、ジュワッと味が出てくる。我が家では5つ星級の評価となる。
 シイタケはジックリ食べる。数が少ないので、2回ほど料理をすると、なくなってしまうからだ。2回目は塩、コショウをして、フライパンでバター焼きにして食べることもあった。我が家では「ステーキより上」という高い評価で、普段は使ったことのないナイフとフォークを引っ張り出してきたりする。2回がすむと、じっと次回を待つ。
 その友人とは最近はごぶさたで、仕方がないからスーパーのシイタケを使う。いしづきを切り、傘の裏側に軽く塩、コショウをふる。その上にベーコンを切って乗せ、とろけるチーズでふたをするようにして、オーブンで焼く。これは友人からのシイタケが届くまでの、つなぎの料理である。(梶川伸)

更新日時 2016/02/20


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