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心にしみる一言(53) 妻は低周波音公害測定の助手兼アンテナ 

2002年6月14日の毎日新聞

◇一言◇
 妻は低周波音公害測定の助手兼アンテナ 

◇本文
普通の人には聞こえないが、敏感な人には耐えがたい健康被害をもたらすのが低周波音公害だ。和歌山市の医師、汐見文隆さんは、このやっかいな問題に、後半生をかけたと言っていい。
公害問題の市民運動に取り組んで30年あまり。低周波公害もテーマの1つ。測定器を購入し、被害者の求めで測定に行き、発生源を突き止める。
測定には奥さんが付き添う。「私には感じない音でも、鋭敏な妻は感じとる」。機械にも頼るが、人間の感性の方をもっと大事にしている。
坂澤輝子さんの被害体験記「奇妙な音地獄」が届いた。15分ごとに布団の位置を変え、耳せんをしても、音は襲ってきた。それでも、行政の測定は「問題なし」。しかし、汐見さんは「被害者の痛みを指針として測定」すると記されていた。(梶川伸)
=2002年6月14日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2016.01.25

更新日時 2016/01/25


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