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豊中運動場100年(24) 第2回関西学生野球、大阪商業が優勝

第一次世界大戦が勃発、塹壕(ざんごう)にこもって射撃をするドイツ兵。欧州で広がる戦火は豊中運動場での大会にも影響を与えた

 1914年8月4日、第2回関西学生連合野球大会は第4日を迎えた。
 この日は前日の日没順延試合のほか1試合と、準決勝2試合が行われた。基本的にはトーナメント戦だが組み合わせは大ざっぱ。試合に遅刻して没収試合となった平安中が翌日の試合に出場、決勝進出の神戸二中は4日間で5試合を戦うことになるなど、綿密な組み合わせのヤグラを組んだとは思えなかった。とりあえず2試合以上勝ち上がったら準決勝に進出できた。
 準決勝前の2試合では、神戸一中と神戸二中が圧倒的な強さで7回コールド勝ち。準決勝に進んだ。
 準決勝第1試合。
 前日に強豪・愛知一中を破った大阪商業が余勢を駆って京都一商に快勝、決勝進出を決めた。
 準決勝第2試合。
 神戸一中と神戸二中の神戸対決となり大いに盛り上がる。一中は5回までに3点リードしていたが、同回裏の二中が満塁の好機を逃さず一気に4点を挙げて逆転。6回にも追加点を奪った二中がそのまま日没コールドで勝利した。
 翌5日。大阪商業―神戸二中の決勝は午後3時半にプレーボール。
 前日に2試合を戦った神戸二中は疲れも見せず、1回裏に大阪商業の失策に乗じて3点を先取。一方、大阪商業は小刻みに加点して同点に追いつき、7回表には連打で2点をあげ勝ち越し。しかし同回裏に神戸二中の4番・宮岡選手が2点本塁打を放ってたちまち追いつく。決勝にふさわしい好ゲームになった。
 試合は同点のまま延長戦に突入したが11一回表に1点をもぎとった大阪商業が逃げ切った。3時間の熱戦は大阪商業の優勝で幕を閉じた。
 翌年の全国中等学校優勝野球大会(現在の夏の甲子園大会)につながる大会だけあって、関西のみならず全国の話題になった大会だった。しかし決勝戦の新聞記事はベタ(1段)扱い。7月28日にオーストリアがセルビアに宣戦布告した欧州での戦火は、8月1日にドイツがロシアに、3日にドイツがフランスに、4日にイギリスがドイツに対してそれぞれ戦線を布告し、欧州大陸全体を巻き込んだ第一次世界大戦へと拡大していった。日本の参戦が秒読みに入り、豊中運動場にも世界大戦の影が忍び寄っていた。(松本泉)2014.05.26
◇第4日(8月4日)
神戸一中 10―3 滋賀師範(7回コールド)
神戸二中  9―1 明星商業(7回コールド)
▽準決勝
大阪商業  7―4 京都一商
神戸二中  7―5 神戸一中(7回日没コールド)
◇最終日(8月5日)
▽決勝
大阪商業
  00120020001=6
  30000020000=5
神戸二中
         (延長11回)

 第2回関西学生連合野球大会 神戸一中 滋賀師範 神戸二中 明星商業 大阪商業

更新日時 2014/05/26


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