「石の道・いけだ」彫刻めぐり<36>吉田昇さん
池田市・五月山公園の五月平にある吉田昇さんの作品は、その名も「五月山」だ。吉田さんは石との出会いを強調する。石切り場で割れた状態の玉石を見た瞬間、緑青の鮮やかな色に魅了された。「形も出来あがっている。さわれないなあ」。公開制作の最終日近くまで、石を眺めていた。
日本人の美意識を表現しようと考えた。神社や日本庭園に見るように、自然に溶け込む作品にしたという。石の魅力を損なわないように、加工は最低限にした。「桜の時期に作品に座って弁当を広げたり、周囲で宴会が開かれたりする様子を想像している」。(進藤郁美)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」61号(2014年3月13日)
更新日時 2014/03/11