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豊中運動場100年⑨ 中等学校野球、続く熱戦 京都勢の強さ際立つ

大正時代の初期の試合にははかま姿の審判も登場した=早稲田大学の戸塚球場で

 後の全国高校野球選手権大会(夏の甲子園大会)の源流になる第1回関西学生連合野球大会は、1913(大正2)年8月1日に豊中運動場で開幕した。「日本1のグラウンドで思う存分野球をしてもらいたい」と美津濃運動具店が主催、京阪神の中等学校20校が参加した。
 会期は5日間。優勝校を決めるトーナメント戦ではなく、交流戦大会だった。また、OB選手が現役選手とともに出場するクラブチームも多数出場し、クラブチーム同士の試合が組まれた。翌年の第2回大会は中等学校チームのトーナメント戦になっていることから見ると、主催者側に「中等学校の出場だけで大会として成り立つのだろうか」という不安があったのかもしれない。
 カンカン照りの中で大会が始まった。第1試合は午前8時開始で1日当たり4~5試合。散水設備がないため、午後からは砂ぼこりの中での熱戦となった。
 試行錯誤の大会運営で思わぬトラブルも発生した。
 5試合が組まれた8月2日は、第3試合のクラブチーム同士の対戦中に施設トラブルが発生し、試合が1時間以上中断。第5試合の御影師範―京都二中戦は午後6時開始にずれ込み、7回を迎えた午後7時15分に日没ノーゲームとなってしまった。照明設備がないため夕方の試合は日没との勝負になった。
 翌3日には、桃山中と対戦する予定だった明石農学校が急に不参加を決定。そこで、第2試合で滋賀師範にサヨナラ勝ちした明星商業が休む間もなく続く第3試合で桃山中と対戦することになった。このほか、4日のクラブチーム同士の対戦では、試合開始時間に遅れたチームが不戦敗になっている。
 もし勝ち抜き戦になっていれば、京都二中か京都一商のどちらかが優勝した可能性が高い。それを阻止する実力があったのは市岡中、天王寺中、関西学院、御影師範の4校で、京都勢の強さが際立った大会だった。
 炎天下が続いたにもかかわらず、豊中運動場には連日、千人単位で観客が詰め掛けた。豊中運動場での熱戦を弾みに中等学校野球の人気は一段と高まっていく。(松本泉)
 【第1回関西学生連合野球大会の結果】
 ▽8月1日
八尾中 15―4 八尾中
市岡中  2―1 関西学院
 ▽8月2日
平安中  7―0 伊丹中
東寺中  7―6 北野中
御影師範  ―  京都二中(日没ノーゲーム)
 ▽8月3日
大阪商業 7―4 京都中
明星商業 3―2 滋賀師範
明星商業 4―1 桃山中
 ▽8月4日
今宮中  5―4 天理中
天王寺中 6―5 伊丹中
 ▽8月5日
京都一商 12―0 御影師範
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第59号(2014年1月16日)

第1回関西学生連合野球大会 美津濃運動具店 八尾中 八尾中 関西学院 平安中  伊丹中 東寺中 北野中 御影師範 京都二中 大阪商業 京都中 明星商業 桃山中 今宮中 天理中 天王寺中 伊丹中 京都一商 御影師範

更新日時 2013/09/04


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