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空美ちゃん・空港へ行く③ 管制官の「テイクオフ」を聞く

管制室から飛行機誘導の指示を出す管制官=国交省大阪空港事務所提供

  大阪空港の管制塔を取材する機会を得た。カメラや携帯電話、パソコンの持ち込みは禁止だった。管制官に話しかけたり、機器に触れたりしないなど、多くの約束ごともあった。
 管制塔は高さ67メートル。管制室は管制塔の最上階にある。管制官はここを「タワー」と呼ぶ。国土交通省大阪空港事務所庁舎からエレベーターに乗る。さらに息を切らしながら、勾配のきつい階段を61段上るとタワーに着く。静かな空間に、管制官がパイロットと交信する声が響いていた。「クリアード・フォー・テイクオフ」。眼下の飛行機が滑走路から飛び立った。
 広さは88平方メートル、天井までは4.2メートル。四方はガラス張りで、窓枠は細い。「死角を減らすために工夫して設計されている」と先任航空管制官が説明した。
 滑走路に向かって左から離発着の許可を出す飛行場管制席、誘導路を指示する地上管制席、管制室内や各部署との業務を調整するデータ計算席、目的地までの管制承認を伝える管制承認伝達席が並んでいる。ここから大阪城上空の飛行機が見える。左2人の管制官はほぼ立ちっ放しで、飛行機を目視している。風向風速計を注視しながら、許可や指示を出していた。出発する飛行機の便名、機種、経路などが書かれたストリップという3×20センチの紙片の運航票を右から左へ渡し、飛行機を引き継いでいた。
 離発着は1日370回。多い時で1時間に約40回近くあるという。「管制官にとってタワーは、常に集中力が必要な場所」と先任航空管制官は話した。(進藤郁美)

更新日時 2013/05/08


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