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空美ちゃん・空港へ行く⑤ バードパトロール

バードパトロールで、鳥の群れに鋭い目を向ける大野博芳さん。夜間は「バン」という爆発音が流れる爆音機を設置する

 発着する飛行機に鳥が衝突するバードストライクは、事故を起こす危険性がある。事故防止に欠かせないのが、鳥を滑走路から追い払うバードパトロールだ。
 大阪空港にはカラスやハト、ケリ、サギ、カワウ、タゲリ、カモなど数十種類の鳥が飛来する。2011年に43件、2012年は48件のバードストライクが起きているが、大事には至らなかった。
 パトロールは空港の消防や警備などを行う航空保安協会大阪第2事務所が担当する。全員が銃の免許を持ち、管制官と交信する無線担当者と銃の担当者に分かれ、2人1組で1日4~5回出動する。黄色い車で着陸帯周辺を巡回すると、1回に約70~80羽の鳥が視認できるという。
 稲村良明所長は「6割がカラスで、ミミズやバッタ、カエル、ザリガニなどの餌を目当てにやって来る。ムクドリやスズメ、ヒバリなど小鳥は音に反応して逃げるが、カラスは賢くて、黄色い車を見ると飛び去ってしまう」と話す。パトロールは空砲を撃つほか、打ち上げ花火に似た煙火を発射したり、鳥が嫌がる音をスピーカーで流したりして、日々奮闘している。   (進藤郁美)

更新日時 2013/07/10


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