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空美ちゃん・空港へ行く⑨ 大阪航空測候所

定時観測のほか、突風など変化があった場合の特別観測、管制官からのリクエスト観測がある。手前は予報当番席、奥が観測当番席

 大阪空港に大阪航空測候所がある。飛行機の離発着に必要な気象観測と予報、解説を担う気象庁の機関だ。予報は1日4回発表する。観測データは1時間ごとに管制官、航空会社などに送る。
 守備範囲は空港から半径9キロ。気象庁の予報官、技術専門官が2人1組になって24時間体制で業務にあたっている。大阪空港事務所庁舎8階の観測室に入ると、衛星画像や天気図、観測データなどがパソコン画面に映し出されていた。
 「離発着に重要な見通し距離と、雲の高さ、量、形は目視する」と主任技術専門官の山本雅樹さんは説明する。1時間ごとの定時観測の際は、当番が外へ出て空を見上げる。「淡路島まで見えるから、見通し距離は約50キロ。1番低い雲は3000フィート(1フィートは約30センチ)、雲の量はフュー(かすか)、積雲。2層目は6000フィート、スキャッター(全天の4割程度)、層積雲」と判断し、記録していた。
 常に空とデータに目を凝らしている。雷が光ってから音が聞こえるまでの時間をストップウォッチで測り、距離を測ることもある。「アナログな手法も使いながら、データをもとに現象を見るのが仕事」と山本さんは話す。(進藤郁美)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第56号(2013年10月10日)

更新日時 2013/10/09


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