空美ちゃん・空港へ行く② 空港生まれの肥料
大阪空港の芝や雑草から、有機肥料が生まれた。「伊丹空港1号」という名前で、農林水産省に登録している。新関空会社は「経営統合によって実現できた」と話している。
滑走路脇には、高さ1メートルにもなるセイタカアワダチソウやイネ科の草が生い茂る。芝と合わせて年3回刈り取り、量は年間900トン。焼却処分に1400万円のコストがかかっていた。このため、3年ほど前から二酸化炭素量カットと、処分費圧縮のため、有効活用を模索している。600トンは兵庫県の牧場に提供し、残る300トンを肥料にしようと動きだした。
「以前にも挑戦したことがあったが、臭いがひどくて断念した」と新関空会社で開発を担当した田中貴之さん。臭わない肥料を目指し、空気がなくても発酵する条件的嫌気性菌を使うことにした。6~8カ月間、刈り草をビニールで覆い、2度かき混ぜる。すると、臭わない肥料ができる。
肥料は敷地内の試験農園で作物を育てて実証実験を行っている。農園で採れた野菜は空港内のレストランに提供するなどユニークな取り組みも始めている。(進藤郁美)
更新日時 2013/04/09