「石の道・いけだ」彫刻めぐり<21>田中昇さん
池田市・呉羽の里バス停南側に田中昇さんの「ぼうし」がある。田中さんは「ジロジロ見ると事故を起こすといけない。チラっと見てくれたらそれで十分」と笑う。「帽子や人の体、手に見えたりもする。別の違うものに見えてもいい。見る人がホッとできたらそれで十分」と、「十分」を繰り返す。
石を積み上げ、コントラストの面白さを表現した。磨いた部分は黒い。ノミで彫ったところは結晶がつぶれて白っぽい。雨に濡れると全体が黒く、晴れとは違う表情を見せる。田中さんは「石彫りは性分に合っている」と、楽しくて仕方ない様子だ。(進藤郁美)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」46号(2012年12月13日)
更新日時 2012/12/12