身近な生き物たち⑬ カラスのねぐら調査
カラスはスズメ、ハトともにもっとも身近な野鳥だ。鳥としては頭が良く、これといった天敵もいないため、野生種らしからぬ「遊び」をする姿はユーモラスでもある。一方で、ごみをあさって散らかすため、害鳥扱いも受けている。
とよなか市民環境会議アジェンダ21自然部会は市からの要請も受け、2011年秋から、市内のカラスがどこに住んでいるのか、ねぐらの調査を行った。初めに予備調査として市内6カ所の森の状況を調べ、その結果、宮山春日神社(豊中市宮山町1)に大規模なねぐらがあることがわかり、詳細調査を実施した。
調査は神社の各方向からやって来るカラスが観察できるよう、5カ所に分かれて行った。調査当日の11月28日の日の入りは午後4時52分。カラスは日の入り前後にねぐらに戻ってくるため、午後4時ごろから続々と神社の森に入っていった。完全に日が沈む午後5時20分までに、1220羽がねぐら入りした。方角は北(箕面・池田方面)からと西(伊丹方面)からが大半を占め、東と南からは少なかった。豊中市内では服部緑地と猪名川公園にも小規模なねぐらが確認され、3カ所合わせて約1600羽がカラスの生息数と判明した。
自然部会は「カラスのねぐらとなる自然が市内に残っていることは意義深い。大事にしていかなければいけない」と話している。しかし市に寄せられるカラスの被害相談は宮山春日神社のある北部に集中しており、何らかの対策を講じる必要があるだろう。
カラスは5月が産卵のピークで、この時期は親ガラスが攻撃的になる。むやみに近付くのは危険なので注意しよう。(礒野健一)
更新日時 2012/05/08