子育てワンポイントアドバイス⑮
池田市の子育てサークル「ロケットキッズ」の世話役、木田弘子さんがかつて勤務していた保育園では、毎年秋になると年長組による五月山“登山”があった。
「階段を使わずに、傾斜をよじ登っていくんですよ」
大イチョウが生えている辺りから展望台まで、素手で地面や草を掴みながら登っていくのだそうだ。年長組というと、ほとんどが5歳児。体力には個人差があるので、うまく登れない子も出てくるが、「なだらかな傾斜へそれとなく誘導してやれば大丈夫」。子どもが泣いてしまったら、保護者が側について励ましてやる。要は最後まであきらめさせないことなのだ。
「今の子は恵まれすぎていて、苦しむという経験が不足しがち」と指摘する木田さんは、「その分、最後まで登りきった達成感は大きいですよ」と話す。
“登山”という難関を突破した後は、それまで何かにつけ消極的だった子が活発になったりするなどの変化が見られたという。1つのことをやり遂げたという経験が自信を持たせたのかもしれない。
「自然は家庭ではできないしつけをしてくれます。地域の身近な自然をぜひ子育てに役立ててくださいね」
(早川方子)
【木田弘子さん】池田市在住。子育てサークル「ロケットキッズ」でボランティアの保育士として活動中。毎週火曜日には無料の育児相談も行っている
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第31号(2011年10月6日)
更新日時 2011/10/03