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編集長のズボラ料理(859) トロロメカブ

青ノリの粉で色の演出

 京都と奈良の府県境に、僕は住んでいる。お金がかからないからよく散歩するが、散歩コースには恵まれている。
 半田舎・半都会という環境。半田舎の面では、20分ほど歩けば田畑が広がる。春や秋に歩くと、実に心地よい。
 半都会の面では、2分ほど歩けば、大きなイオンモールの建物に入る。暑い夏は涼しく、寒い冬は暖かい。ビルの中に府県境があり、奈良と京都を行ったり来たりしながら、3階分の売り場を歩くと、歩数は3000~4000歩となる。何も買わない日もあり、心苦しさも感じるが、歩くには実に快適だ。
 良い環境はもう1つある。現代と古代が入り混じっていること。京都側を20分歩くと、音如ヶ谷瓦窯跡に着く。奈良時代に瓦を焼いた跡で、発掘した窯跡も実物展示していて、奈良時代にタイムスリップする。
 瓦の文様から、法華寺(奈良市)の創建瓦を焼いた窯と分かったという。寺は藤原不比等や光明子が住んでいた場所とされるので、奈良時代はとても身近である。もし歩き疲れれば、10分ほど歩いてコンビニに寄り、現代に戻ってスイーツでも食べればいい。
 奈良側を20分あまり歩くと、石のカラト古墳に着く。古墳時代終末期、8世紀初頭の築造だという。しかも、古墳からは万葉の小径と名づけられた遊歩道があり、奈良時代の植物を植えてあり説明板もある。古代へのルートが整備されている。もし歩き疲れれば、大通りに出てバスに乗れば、すぐに現代に戻れる。
 この古墳は、上円下方墳という形をしている。台形(下方)の上に、まんじゅう型(上円)が乗っている。国の史跡に指定され、復原整備されている。今回のズボラ料理は、この古墳をちょっと参考にした。
 ナカイモをすりおろして、ほんの少し酢を垂らして変色を防ぐ。白だしを加えてよく混ぜ
、皿に入れる。メカブにポン酢かけて混ぜたあと、ナガイモの上に乗せる。全体に青ノリの粉をふりかける。
 できあがってよく見ると、上円下方ではなく、下円上方になっていた。古代から現代にも戻る時、バスがひっくり返った記憶はないのだが。(梶川伸)2026.03.20

更新日時 2026/03/20


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