編集長のズボラ料理(781) ニンジンとニンジン葉のかき揚げ
スーパーなどで大根を買う時、葉がついているものがあると、大いにうれしくなって買う。たいていは、地元農産物のコーナーに置いてある。
一般の野菜コーナーでは、ほとんど見ることはない。たまに葉つきがあり、それを手にした人がレジで、「葉は切っといて」と頼む光景を見る。時にはレジ係の方から、「切り落としますか?」と聞いている。その客はいつも葉が不要なのだろう。何でだろう。
僕は葉が大好きだ。僕にはけちくさいところがあるが、そのためだけではない。その昔、名古屋市に住んだ時のことだが、豊川市に出かけたことがある。目的は覚えていないが、昼ご飯を覚えている。みそ田楽と菜飯のセットだった。単純なのだが口に合い、ご飯と大根葉の組み合わせが好きになった。
たいてい葉は、浅漬けの素で漬ける。それを細かく切って、ご飯に乗せてしょうゆを垂らし、カツオ節をかけて食べる。順番は大事で、しょうゆをかけてから、カツオ節が最後でなければならない。大根葉好きのこだわりである。
だから葉はほしい方で、葉を捨てるなどもってのほかだと思っている。レジで葉を切り落としていると、思わず袋で受けたくなる。実際には恥ずかしいので、何とか我慢している。
カブを買う時、葉がついていると、ちょっとだけうれしくなり、たいていは葉つきを買う。やはり、浅漬けにする。大根よりは少し草っぽいので、刻んで炒めることもある。遍路仲間には、大根場を炒める人がいるが、カブだけにしてほしい。大根は別格なのだ。
スーパーでは時に、葉つきのニンジンが並んでいる時がある。ほんのちょっとだけうれしくなり、葉つきを選ぶ。これは浅漬けにはしない。チリメンと一緒に炒めることもあるが、
、カブには及ばない。そこで今回は、別の料理にした。
ニンジンは食べやすい長さで細く切る。ニンジンの葉もそれに合わせた長さに切る。それらをビニール袋に入れ、小麦粉も入れてよく振り、小麦粉をまぶす。ボウルに小麦粉と少しコーンスターチも入れ、水を加えてよく混ぜ衣にする。ニンジンと葉を入れて混ぜ、箸でつまんで熱した油に入れ、かき揚げにする。
ニンジンの葉には苦みがある。一方でニンジンの方は甘味がある。この組み合わせがいい。しかし、そうたくさん食べられるものではない。葉つきニンジンを買った時、4個入りだった。葉はけっこうな量になり、次々と食べていたら、馬になりそうだった。(梶川伸)2025.01.05
更新日時 2025/01/05