編集長のズボラ料理(746) ハモの春巻き
ハモは値段が高いのか安いのか。
そもそも僕がハモを好きになったのは、兵庫県・淡路島沖の沼島に行ったからだ。木村旅館でハモすき(すき焼き鍋)を食べた。骨切りをしたハモを鍋に入れると、切れ目が広がって、白い花が咲く。その美しさに魅せられた。ハモだけは味はさておいて、「花よい団子」ではなく、「ハモより花」である、
料金はそれなりに高かったが、その時は全く気にしなかった。新聞記者時代で、取材だったので、会社の金で食べられだ。
それ以来、ハモ仲間を募っては、ハモを食べに行く。そうして、ハモの高さを知る。
休暇村南淡路にも、ハモ目当てで泊まった。スタンダードな料理ではなく、わざわざハモ会席を選んだ。ハモ豆腐、ハモゆば、湯引き、焼き霜、あらい、照り焼き、ハモすき、てんぷら。満足したが、ハモに変えたことで、いっぺんに7000円ほど料金はアップした。高いなあ。
別のハモ中間で、淡路島の新島水産にハモすきを食べに行った。支店が大阪市・福島にできたと聞き、そこも訪ねた。いずれも行く前には、財布の中身を調べ、覚悟の上である。
一方で、安いと思うこともある。大阪市・天神橋の庶民的な天ぷら屋さん「天平」(すでに店を閉じてしまった)もそうだった。ハモの身だけではなく、肝の煮つけなど色々な部位をうまく使う。その中で、ハモの子の煮ものをよく頼んだ。小さな卵の塊を、薄味、薄い色で煮てあった。フルで食べても1000あまり。淡路島との差は何だろう。
ちょっとハモで夏を感じるなら、値段は気にしなくていい。「ゆこゆこ」という安い温泉宿、滋賀県・雄琴温泉「ことゆう」に、遊び仲間で泊まった時もそうだった。夕食はコースで、その1つに「凌ぎ」があり、「鱧落としと夏野菜・ハス芋、オクラ、ヤングコーン、マイクロトマト、順才」があった。
そのグループにとっては、夏はその程度のハモでいいのだ。そもそも、そのグループは認定ハモ仲間では本質は本質は遊び・飲み仲間だから、暑い夏は早く宿にに入り、一風呂浴びて、ビールをグイーッ、プファーとするのが目的。だからハモづくしである必要はない。
最近、スーパーで見るハモは安い。1匹で1000円しない。しかもさいてあって、骨切りもしてある。これはズボラにとっては好都合。
ハモは食べやすい長さに切って、サッとゆで、水分を切る。皮の面に梅肉を塗り、背ヲ中にして2つ折りにする。春巻きの皮に大葉を乗せ、その上にハモを乗せ、春巻きの皮で包み、油で揚げる。
ことゆうは安かった。1泊2食で1万円しなかった。ただ、アルコール代はかさんだ。だとすると、安かったのか、高かったのか。(梶川伸)2024.07.24
更新日時 2024/07/24