編集長のズボラ料理(730) ジャガイモのローズマリー焼き
マリーゴールドとローズマリーとを、いつも言い間違える友人がいる。僕も偉そうには言えない。時々、どっちがどっちか分からなくなる。
改めて見比べれば、間違えるわけがない。マリーゴールドは夏の花壇の主役だから、オレンジや黄色の花を毎日のように見る。稀-なことではない。。
ローズマリーはハーブとしてよく知られている。しかし観賞用ではないから、見る機会はほとんどない。見るのは、稀-なことなのだ。だから、友人のように間違えるはずがない。
僕が2つを時々間違えるのは、散歩道にローズマリーを植えている家がいくつかあるからだ。しかも、近くに公園の花壇があり、ローズマリーが咲き誇っている。両方を見ながら歩くので、こんがらがってしまう。
ローズマリーを見て、思うことがある。細いトゲトゲしたような葉の様子と、名前との間にギャップがあると。実物の見た目の割には、名前が美しすぎる気がする。
ローズはバラだから、言葉からだけでも美しいと思う。ピエールドロンサーヌなどは実際に美しいし、名前も美を感じる上品さがある。ルノアールやドガやモネといった画家の名前がついていれば、美しくないはずはない。モンローやヘップバーンといった女優の名前もあるから、バラ園はまるでカデミー賞の授賞式の会場である。
大阪府吹田市に、オッペン化粧品のバラ園があって、春の一定期間、一般に開放する。そこのバラは女優や美人だらけだ。化粧品PRにはうってつけではないか。
ローズに続くマリーも、何だか美人そうに思える。マリー・アントワネットは歴史に名を遺す8人の美人の1人だというし。5番街のマリーも、美人だと思ってしまう。
でも、ローズマリー自身は美しくない。そう思っていたのだが、調べてみて考えが変わった。ラテン語の「海」の「雫」が語源らしい。青い花が海のしずくなのだ。よく見かけるのに、しずくとは思わなかった。ローズマリーさん、ごめんなさい。
ジャガイモを短冊に切って皿に並べ、レンジでチーンをして火を通す。ニンニクをみじん切りにして乗せ、オリーブオイルをかけ、粉末のローズマリーを振って、オーブンで焼く。
その昔、「ローズマリーの赤ちゃん」という映画を見た。怖いホラー映画だったなあ。ハーブとは関係ないけど。(梶川伸)2024.05.10
更新日時 2024/05/10