編集長のズボラ料理（678） ジャージャーそうめん
そうめんの湯を切りすぎるtと、そうめん同士がくっつく恐れがあるので注意
僕は京都府と奈良県の府県境に住んでいる。だから、奈良の食べ物にも思い入れは強い方だ。
お世話になった人に贈り物をする時には、刻み奈良漬けを選ぶ。漬けた酒かすと細かく切ったウリを、一緒に食べるのが売りになっている。ほかの地域では見ないのが、それを選ぶ理由だ。
もっと大きな理由がある。安いのだ、大きなウリの奈良漬けなら、それなりの値段がする。しかし小さく切ってあるので、小さなパックに入れることもでき、当然ながら安い。
少し前なら、１袋３４０円ほどだった。イオンで２０日、３０日に買えば、さらに５％オフになる。このところの商品の値上がりで、刻み奈良漬けも４００円くらいになったが、まだ贈り物トップの座は揺るがない。
それほど奈良食品愛に満ちているつもりだが、しょせんはデラシネのあげく府県境に住む中途半端な立場。その危うさを、そうめんで思い知った。
生粋の奈良の友人と、三輪そうめんの本場、桜井市のそうめんの店で昼ご飯を食べることになった。車で行って驚いた。店の外まで並んでいるではないか。たかが、そうめんのために。
僕は並んでまで食べるつもりはない。しかし友人は入口のノートに名前を書いて、待とう言う。何たる奈良愛の強さ。
結局、僕の主張が通り、そに店は離れた。ただし、友人のことも考え、これまた奈良県民がこよなく愛する精肉店・福寿館が経営する店に行き、焼肉定食を食べることで、友人のわだかまりををなくした。
奈良県民でなくても、夏はそうめんじゃー、となる。突然、変な方言のような言い回しになったが。ジャージャー麺のそうめん版を作ることにしたので、苦しい導入である。
じゃあ、どうするか。考えてみると、ジャージャー麺はほとんど食べたことがない。神戸市に住んでいたころ、南京町のぎょうざ苑で、ギョウザとジャージャー麺をセットで何度か食べたくらい。
じゃあ、どうするか。イオンに行って、トップバリュの「あえるだけの麺用ソース 具入りジャージャー麺風」を買うしかない。３食分で２００円ほどと安いから、たとえ失敗しても、深手を負うこともない。
そうめんをゆで、ボールに移す。その際、ほんの少しゆで汁も入れる。ジャージャー麺風をかけてよく混ぜ、皿に盛る。これだけでは芸がないので、市販の卵豆腐を細かく切って乗せ、付属のたれもかける。
この料理、生粋奈良の友人には出しづらい。文句を言うに決まっている。あくまでも「風」の域を出ないし。（梶川伸）
更新日時 2023/08/05
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