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編集長のズボラ料理(674) カニかまのウニソース

瓶詰めウニは味が濃いので、伸ばしながら調整を

 カニかまぼこは、チキンラーメンにも匹敵する日本の発明品だと思う。。
 かまぼこではあるが、見かけだけでなく、味もどんどん本物のカニ近づいている。少しはカニが入っているのか思うが、実は入っていない。カニエキスを使っているだけなのに。そのうち、味はカニを抜いてしまうかもしれない。
 カニかまは安い。本物と比較は難しいが、10分の1から30分の1くらいの値段ではないか。だから、バクバク食べても心配ない。
 カニかまは便利だ。殻から外す必要がない。だから、苦労しながら身をかき出す面倒くささがない。
 カニかまは上品に食べられる。本物だと、少しも身を殻に残してはないから、いじましいほどほじくる。足に包丁の切れ目が入っていなければ、歯を使って殻を破らなければならず、味の上品さとはかけ離れた下品な食べ方になる。「高級品は上品に食べる」という原則は、カニには通用しない。
 甲羅の部分は、いくら必死になっても完全に取り出すこと不可能。その作業に何分かけるか、周囲の目を気にしながら妥協点を見出す。カニはやっかいな食べ物だ。
 カニかまは食べた後がきれいだ。本物のカニだと、取り出しフォークだけで挑戦するのは無理。そこで口のほかに手も使う羽目になり、手はネチョネチョになる。そのうえ、半日はにおいが取れない。しかも、殻が大量の出る。カニかまは箸さえあれば十分だし、殻も残らないから、ごみも出ない。
 カニかまは、あまりにも普及してしまった。東南アジアでは、スーパーでカニかまの巨大な売り場があると、テレビで知った。
 こうなると、ただ、ワサビじょうゆやポン酢で食べても芸がない。そこで少しだけランクアップさせたくなる。そこで考えたのは、瓶詰の練りウニ。これが結構安い。本物のカニには本物のウニでもいいが、カニかまには瓶詰めが似合っている。もし、本物を使ってしまうと、安いカニかまよろウニの方が高き唸り、カニかまを選択した意味がなくなる。
 カニかまを皿に並べる。瓶詰ウニ取り出し、だしとみりんで少し伸ばし、ソース状にしてかける。
 ローストビーフのウニソースを店で食べたことがある。何と高級感のある響き。ただし、店は居酒屋さんだったので、超高級というわけではなかった。その方が僕には合っている。だから、カニかまにはウニソースも瓶詰めがいいに決まっている。僕の場合は。(梶川伸)2023.07.15。

 

更新日時 2023/07/15


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