心にしみる一言(402) 上勝の棚田米と湧き水と負けん気でこっしゃえた純米吟醸原酒
◇一言◇
上勝の棚田米と湧き水と負けん気でこっしゃえた純米吟醸原酒
◇本文◇
徳島県上勝町は山の中の町だが、活発な町おこしで注目されている。公設民営の「月ヶ谷温泉・月の宿」でも、それを強く感じた。
何度か泊まったことがあるが、ある時の夕食の際に、日本酒を注文すると、宿の人が薦めてくれたのが、「上勝の棚田米と湧き水と負けん気でこっしゃえた純米吟醸原酒」だった。名前の長さに驚いて、これを一言に取り上げた。「こっしゃえた」は、「こしらえた」の方言の言い方。
販売元が高鉾建設酒販事業部となっていた。建設会社が酒を手掛けていることに、驚きがさらに増した。
上勝町は、料理に添えるモミジの葉や花などの「葉っぱビジネス」で有名になった。担い手はおじいちゃん、おばあちゃんで、そんな年配者がパソコンを使いながら事業を展開し、元気な姿がテレビで紹介されたり、映画になったりもした。株式会社組織にしていて、その事務所が宿の一角にある。そんな元気さの延長線上に、この酒もあるのかもしれない。
この酒を知っていた友人が、注釈を加えてくれた。建設会社の大将の女将さんが米を育て、鳴門市の松浦酒造(「鳴門鯛」の蔵元)で酒に造ってもらっているそうだ。
日本酒度は+3だから、やや辛口ということになる。しかし、味は強いうえに華やかで、甘口にすら感じる。(梶川伸)2023.05.09
更新日時 2023/05/09