編集長のズボラ料理(639) モヤシと豚肉のレンジでチーン
モヤシは安い。だからよく買う。1袋50円から80円くらいで売っている。
ちょっと手抜きをしようと思って、根切りモヤシを買っても、それほど値段はアップしない。自分で根を取る手間を省くために手を出すのだが、いざ使おうとすると、根が結構残っている。根がないのが欲しかったのだから、結局根を自分で取ることになる。きっと、僕以外の人も、同じ体験をしているに違いない。だから、値段がそう高くならないのも分かる。100円を越えていたら、怒りで暴動が起きるに違いない。
僕は大人だから、期待を裏切られたことを根に持つくらいで収まる。それでも、次は買わないぞ、と決意はする。それなのに、根切りがスーパーの棚に並んでいいると、「今度は根がないかも」と、根も葉もない根拠で手を伸ばしし、また同じ失敗を繰り返し、音を上げることになる。
ええかっこして、有機栽培のモヤシを買うことがある。これも100円まではいかない。食べてみて、有機だとは分からないから、さもありなんと思ってしまう。だから1回しか買ったことがない。
即席ラーメンが安いので、家を作ることがしばしばある。昔は素ラーメンだった。チキンラーメンが生卵を置くへこみうを作ってからは、ほかのラーメンでも卵をお落とすようになった。
このところ、野菜も入れる。スーパーでラーメン用の野菜セットの袋を売り出すようになったからだ。これも100円までいかない。モヤシ中心で、少しキャベツやニンジンが入っているだけだから、当然ではある。
でも、これはずるい。即席ではあるが、本当は野菜でも入れて、少しでも本物のラーメンらしくしたい思いは、前からあった、でも、冷蔵庫からキャベツやハクサイを取り出して、カットしてまで使おうとは思わないかった。しょせん、即席麺だからというな思いがあった。そこをカット野菜の袋が狙ってきた。その作戦にまんまと引っかかっているのが、最近の僕である。
もう1つ、誘惑に負けているものがある。それはチャーシューで、特にラーメンの人気店「山頭火」のものがスーパーにあると、つい買ってしまう。かくして、安さで食べる即席麺が、具によって高くなるという異常な逆転現象が生じている。
今回はモヤシにお世話になる。テレビコマーシャルの影響である。モヤシとカットしたネギを皿に乗せ、その上に豚肉の切り落としをたくさん乗せる。レンジでチーンして、ポン酢をかけて食べる。
これは簡単。安いモヤシの相手は、安い切り落としに限る。簡単すぎて、ズボラ色にアレンジする余地もない。(梶川伸)2022.12.19、
更新日時 2022/12/19