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編集長のズボラ料理(574)  マッシュルームとベーコンのニンニク炒め

ベーコンはカリカリに炒めてもいい

 おやじは白いアスパラが好きだった。どのような食べ方をしていたのかは記憶があいまいだが、白い色は覚えている。だから僕は子どもころ、アスパラは白いと信じていた。
 大人になって、自分でもアスパラを食べるようになり、意外だった。緑色じゃないか。やがて、育て方の違いだと知る。
 ホワイトアスパラは日に当たらないようにして育てるらしい。日焼け止めが大事なのだ。UVカットをしているのだ。
 おやじは缶か瓶に入っていたアスパラを食べていたと思う。今でもホワイトアスパラの瓶詰めを見かけることがある。野菜の瓶詰は珍しい気がするので、目につく。瓶詰めの場合、中身が分かるが、ホワイトアスパラばかりで、グリーンは見たことがない。これも意外。
 生え方にも意外性がある。茎や葉は細くて繊細で、アスパラに結びつかない。ところがアスパラ自体は、土の中から大型のツクシのように伸びてくる。葉などがついていないので、ロケットがたくさん立っているような景色となる。
 マッシュルームも白いものだと信じていた。ところが最近、スーパーでは茶色が幅をきかせている。これはアスパラの反対で、日焼けサロンのような育て方をしたに違いない。そう思って調べてみると、菌の種類の違いだという。意外だった。
 ホワイトマッシュルームは淡泊なので、サラダなどに向くと書いてあった。何!頭の中が真っ白になった。
 世界で唯一、生で食べられるキノコだとは知っていた。でも、ホワイトでもブラウンでも、どっちでもいいと信じていた。ただ、これまで作って食べたのは、ブランばかりだった。なぜかというと、ホワイトより安いからだ。日焼けサロンに使う金がいらないからだ。
 ちょっと焦ったが、大丈夫だろう。何度か生ブラウンを食べたが、まだ生きている。
 ブラウンマッシュルームの石づきを取り、少し厚みを持たせて縦に切っていく。ベーコンは短冊切り。フライパンにオリーブオイルをひき、ニンニクスライスを加えて熱し、ニンニクオイルを作り、ベーコン、マッシュルームの順に入れて炒める。できたら、塩とコショウと粉パセリを振り、さっと混ぜる。
 マッシュルームは「味キノコ」とも呼ばれるらしい。味はブラウンの方が強いので、今回はそれを使った。ホワイトも炒めれば色がつく。それならば、最初から茶色を使うのが、ズボラ流の鉄則である。(梶川伸)2022.01.14

 

 

更新日時 2022/01/14


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