編集長のズボラ料理(537) 枝豆入りチーズ焼き
僕にとって、黒豆の枝豆は夏の必需品と言える。のどが渇いた時、とりあえずビールには、まず枝豆となる。
遍路仲間が京都府福知山市で黒豆の枝豆を出荷していて、仲間14人で押しかけたことがある。枝豆を収穫させてもらうためだ。出荷時期が少し過ぎていて、作業に少し余裕ができたという言葉に甘えた。畑に行くと、わざわざ畝を残しておいてくれた。
さやは少し茶色くなっていた。しかし、教えてもらったことがある。「さやが緑でないと売れないけど、本当は少し茶色くなった方がおいしい」
収穫しただけ持って帰れるのだから、みんな取るわ取るわ。僕は1時間ほどで、大きなゴミ袋の4分1が埋まった。
大阪に帰り着いてから大変だった。行きつけの居酒屋さん2軒をはしごし、枝豆を大量におすそ分けしながら、ゆでてもらってビールを飲んだ。ビールに枝豆は付き物だから仕方がない。
友人の知り合いが兵庫県丹波市で黒豆の枝豆を作っていて、それを取りに行かせてもらったことがある。そこで教えてもらったのは、薄皮が黒くなっている方が甘いことだった。
大阪に帰ってからが大変。居酒屋さんに寄り、おすそ分けしながら、ゆでてもらってビールを飲んだ。夏の枝豆とは、そんなものである。
黒豆の枝豆に味を占め、スーパーで変わった種類の枝豆を見かけると、買ってみるようになった。自宅でゆでて、ビールを飲む。夏はいいなあ。
和歌山の「豊熟の味わい」、山形の「秘伝ハッピー豆」、北海道の「たまふくら」、秋田の「香り豆」、新潟の「黒崎茶豆」、群馬の「味緑」……。いくらでもビールが飲めるぞ・
たた、グルメではないので、味の違いに鈍感なのが欠点である。そのうえ、味を表現するのが難しい。あの青臭いのに、少し甘味とこくがある独特の味わいの枝豆だが、その差をどう言い表せがいいのか。考え出すと、ビールでも飲まずにはいられない。
枝豆は塩ゆでし、さやから外して、薄皮も取っておく。卵焼き用の小さなフライパンを使う。ほんの少しオリーブオイルをひき、とろけるチーズをたくさん乗せ、その上に枝豆を並べ、ゆっくりを熱し、チーズの底がパリパリになるまで焼く。皿に置き、コショウを振って食べる。
カリカリチーズはビールのあてにいい。しかも枝豆も参加している。1つでビールのあての2乗である。夏は本当にいいなあ。(梶川伸)2021.19.01
更新日時 2021/09/01