編集長のズボラ料理(542) 焼きナスとモッツァレラチーズのマリネ
チーズにも流行があるようだ。
神戸市の神戸市営地下鉄三宮駅の改札口を出たところに、スーパー「阪急オアシス」の新しいタイプの店がある。テナントがいくつも入っていて、イートインスペースもある。ちょっとのぞいてみた。
目のついたのがチーズだった。ローマ商会という店のブッラータ。僕はチーズ素人だから初めて聞く名前だった。店員さんがしきりと勧めるので、1つ買ってみた。
巾着袋のような形をしていて、切り開くと中からトロッとしたチーズが流れ出る。牛乳とチーズの中間のような印象だった。
気に入ったのだが、チーズの名前が思い出せない。どうも気分がすっきりしないので、また同じ店に買いに行って、何とか名前を覚えた。手塚治虫のまんが「ブッダ」の本が本箱にあるので、忘れた時にはそれをヒントにすることにした。
娘はチーズが好きを自認している。そこで、遊びに来た時に、知っているかどうか試してやろうと思った。
その段になって、また名前を忘れた。ブッダの本に目をやる。「ブッダーラ」やら「ガンダーラ」が思い浮かぶ。「確か、ブッダに似てたんだけど」と言うと、「ブッラータじゃないの」と娘が言って、一件落着した。
娘は知っていて、「最近はやっている」と一言。「果物なんかにかけて食べる」と解説までする。僕はそのまま食べただけだったが。
僕のチーズに対する思いは浅い。冬の北海道鶴居村にタンチョウを訪ねて行った際、道の駅風の店「つるぼーの家」で買ったナチュラルチーズが印象に残っているくらいのもの。それも、マイナス21度の夜明けの寒さの中で見たタンチョウに比べほんのほんの添え物の思い出である。
娘はチーズ好きだから、そろそろ遊びに来そうだとにおう時は、とろけるチーズ以外に、カマンベールかモッツアレラを冷蔵庫に用意しておく。いざ来ても、チーズとトマトとバジル(またはバジルペースト)を皿に入れて出せば、それだけで満足する。楽なもんだ。ブッダなど必要ない。
ナスはフォークを刺して10カ所ほど穴をあけ、オーブンで焼く。皮をむき、食べやすい大きさに切る。モッツァレラチーズをカットする。枝豆をゆでてさやからはずし、さらに薄皮も取る。ベーコンは薄い短冊切り。オリーブオイル、ワインビネガー、ワサビ、白だしをを混ぜ、準備した食材を和える。
そろそろにおう。モッツアレラは使ったから、また補充しとくか。そして、ブッダにの本を見て、名前を思い出しておこう。(梶川伸)2021.09.15
更新日時 2021/09/15