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心にしみる一言(321) 爆心から800メートルだが、爆風の方向と平行だったので、半分残った

片足鳥居

◇一言◇
 爆心から800メートルだが、爆風の方向と平行だったので、半分残った

◇本文◇
 2014年に長崎市を訪ねた。軍艦島(端島)が世界遺産に登録される前に、行ってみたかったからだ。
 その機会に、久しぶりに原爆の関連施設を回った。その1つが、山王神社の「片足鳥居」だった。石の鳥居だが、向かって左側半分が爆風で倒れ、右側半分だけ残った。片方の支柱だけなので、片足鳥居と呼ばれている。
 説明板に書いてあったのが、取り上げた言葉だった。「爆心から800メートルの地だが、爆風の方向と平行だったので、半分残ったのだ」
 鳥居ができて90年目にあたっていた。倒れた方の石は、近くに置かれていた。特別な保存策をしているようではない。片足鳥居にしろ、地面の置かれた石の部材にしろ、そのままの感じだが、それが原爆の生の記録として残されている。
 長崎医大の被爆モニュメント、西村西望の平和祈念像、原爆落下中心地の碑。浦上天主堂の鐘楼の一部が、崩れ落ちた場所にそのまま保存されていた。永井隆博士の記念館には、原爆をもたらしたのが私たち人間である、という永井博士の言葉があった。(梶川伸)2021.07.26

更新日時 2021/07/26


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