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寺の花ものがたり(274) 芳徳寺(奈良市)桔梗=6月下旬~7月下旬

2020年8月3日撮影

 NHKの大河ドラマ「春の坂道」(原作・山岡壮八)が放映されたのは、1971年だった。徳川家康・秀忠・家光に仕えた剣術家・柳生但馬守宗矩(むねのり)の生涯を描いた。
 その舞台になったのが奈良市柳生だった。奈良市の中心部から随分と離れているが、放映当時は観光客でにぎわった。私も数年後に訪ね、正木坂道場などを見学したことを覚えている。
 半世紀近く経ち、2020年に訪ねてみた。家老屋敷に設けられた春の坂道の展示室をのぞき、正木坂道場も再訪した。8月に入った暑い日だったこともあったのか、観光客は私1人だった。
 道場は小山を少し登った所にある。さらにその道を登ると、芳徳寺はある。境内にはあちこちに桔梗(ききょう)が植えてあった。山門をくぐった所に集まっていて、白い塀との組み合わせがいい。ほとんどの花は青だが、白も少し混じり、これも好ましい。
 本堂の前のちょっとした植え込みにも、桔梗はあった。時期は少し遅く、終わりかけだったが、汗が噴き出す日だったので、少しだけ涼しさをもらったようだった。

◇芳徳寺(ほうとくじ)◇
 奈良市柳生下町445。JR奈良駅、近鉄奈良駅から石打・柳生・邑地中村行きバスで50分、柳生バス停下車、徒歩15分。0742-94-0204。寛永15(1638)年、)柳生但馬守宗矩(むねのり)が父石舟斎宗厳(むねよし)の菩提を弔うために創建。本尊は釈迦如来。入山有料。
(梶川伸)=状況が変わっていることもありますので、ご了承ください。21.06.11

更新日時 2021/06/11


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