このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(356) ベーコンとセロリとシメジのオリーブオイル炒め

ベーコンとセロリとシメジのオリーブオイル炒め

 僕にとってベーコンは、身近な存在と言える。間違ってもらっては困るが、「知識は力なり」「沈黙は愚者たちの美徳である」「恋をして、しかも賢くあることは不可能だ」と、名言しかしゃべらないイギリスの哲学者、フランシス・ベーコンのことではない。
 身近なのは、食べ物のベーコンのことだ。「ベーコンとは豚肉を塩漬けにした食肉加工品の一種である」。これは名言でも何でもない。ウィキペディアに書いてあった。
 ベーコンなら「人生は道路のようなものだ。一番の近道は、たいてい一番悪い道だ」と名言をはくだろうが、つい近道のインターネットで調べてしまった。
 うちの冷蔵庫には、いつもベーコンが入っている。それも、米久のベーコンの塊である。以前、静岡出身の後輩に教えてもらった。静岡ではテレビの天気予報のスポンサーが米久だから、静岡県民のだれもが知っている、と後輩は断定していた。
 それ以来、ベーコンは米久と決めている。値段も安い。もっと高い高級品を食べる人もいるだろうが、うらやましいとは思わない。「嫉妬は常に他人との比較においてであり、比較のないところには嫉妬はない」のだ。
 ただ、そう簡単に手に入るわけだはない。自宅から歩いて2分のイオンには、通常は置いていない。自宅から歩いて8分の近商ストアは、以前はあったのだが、最近は見ない。
自宅から歩いて25分のアルプラザにはアルプラザ、いや、アルので、1週間から10日に1回は、この方面に散歩に行く。米久のベーコンがほしい、という高い希望を持つならば、回り道もいとわない。そのことについてベーコンは、「高みにのぼる人は、皆らせん階段を使う」と名言を残していう。
 冷蔵庫にあるベーコンを出し、短冊に切る。セロリもよく使うので冷蔵蔵にあり、しなびる前に繊維をとって細切りにする。シメジもたいていは冷蔵庫にあり、これも使う。フライパンにオリーブオイルひき、3つの具材を炒める。味付けはクレイジーソルト。
 つまり、家にあるものばかり。自分のおかずには、これでいい。ベーコンの名言にもある。「おかずを作るのは食べるためで、人に見せるためではない」。ちょっとアレンジしたので、原文も示しておく。「家を建てるのは住むためで、人に見せるためではない」
 それにしてもベーコンは、名言を発していない時は、何をしゃべっているのだろう。不思議だ。ベーコンを食べながら、考えてみる。「不可思議、それは知識の種子である」(梶川伸)2019.06.22

更新日時 2019/06/22


関連リンク