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編集長のズボラ料理(327) カキの緑天ぷら

ポン酢で食べるのがいい

 亡くなった親父、おふくろは広島の出身だった。昔のことだから、2人とも兄弟姉妹は多かった。
 親父は仕事についてからは転勤族で、広島に住むことはなかった。そのために僕は、幼稚園2つ、小学校4つ、中学校2つを経験した。高校は名古屋で入学した。やがて、親父は転勤になった。その時はさすがに、「もう転校やいやだ」と言って下宿した。
 その高校には同じような境遇の友だちがいた。授業が終わると、学校内をくまなく探索し、牛乳瓶を集めた。それを購買部に持っていくと、1本5円で引き取ってくれ、それを元手にお好み焼き屋に行って、中日スポーツを見ながら時価を過ごした。親がいないから勉強はあまりしない、だから成績はメキメキ下がった
 両親の兄弟姉妹、僕のとってはおじやおばから昔は、広島の名産がよく送られてきた。秋にはマツタケ。焼きマツタケをよく食べた。残念ながら、マツタケが取れなくなったのか、あまり送ってこなくなり、やがて取る方の人がなくなり、マッタケ、いや全く届かなくなった。仕方がないから、マツタケのお吸い物のお世話になている。
 冬になると、広島菜のが送られてきた。多い時は大きな容器に2つ。バクバク食べたが、それでも食べ終わるまでに3~4カ月かかった。漬け物だから塩分は高い。血圧の薬を飲んでいる僕にとって、親類付き合いは命がけである。残念ながら代替わりもあって、送られてこなくなり、そのおかげで僕は生き延びている。
 冬には殻つきのカキも送られてきた。焼いて食べるのが好きだったが、焼いている最中に殻の端が飛び散る。飛んでくるかけらを避けながら食べるのは、結構テクニックを要する。残念ながら親父、おふくろの死もあって届かなくなり、僕はけがをせずにすんでいる。
 元同僚が広島で仕事をしていて、先日は食べたカキ料理の写真をフェイスブックに掲載していた。その中に「カキのネギ巻き」なるものがあり、どんなものか、FBで聞いてみた。すると、冷たい返事。「写真を見て」
 仕方がないから、想像で作ってみあた。カキに白しょうゆを少しかけて、しばらく置いた後、ペーパータオルで水分を取る。小麦粉の少しコーンスターチを混ぜ、ネギ、大葉のみじん切り、青ノリを加え、それを天ぷらの衣にするが、水を少なくして固めの衣にする。カキの衣をつけて油であげる。
 しかし、ネギ巻きとはどういうものだったのだろう。どうも、写真とは違うようだが。(梶川伸)2019.01.16

更新日時 2019/01/16


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