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編集長のズボラ料理(298) 焼きナスと生ハムのオリーブオイル和え

焼きナスには軽く塩をふってもいい

 和洋中という。和洋という言葉もある。しかし、和中は聞かない。和食+洋食の方が、和食+中華料理よ相性がいいのだろうか。
 「だが、待てよ」と思う。ラーメンはどうだ。中華料理に起源があるのだろうが、今やすっかり日本料理になっている。インバウンドの外国人旅行者が、日本で何を食べたいかを聞いたテレビ番組を見た。すしや天ぷらを抑えて、堂々トップはラーメンだった。
 ラーメン好きの僕としては、多いに喜ばしい。ラーメン店580件を制覇し、食べ歩いている時は、「しょうもないことをして」と自問自答していたが、ついに世界的ラーメン時代がやってきたのだ。
 ただし、食べ歩いたのは20年も前の話。年をとってきて意欲は薄れ、四国遍路の際に徳島市の巽屋で徳島ラーメンを食べるくらいになってしまった。インスタントラーメンで目新しい商品を食べて、お茶をにごしている。
 若いころはよく一緒にラーメン屋さんに行った元同期の男も同じ状況だ。高松市に住んでいて、1人暮らしなので遍路の途中、時々泊めてもらう。ある時、四国各地のインスタントラーメンのセットを土産に持って行った。すると元同期は帰り際に「今はこれが1番」と言って、「明星バリカタ麺・豚骨」を3袋持たせてくれた。
 ただ、僕の場合、インスタントラーメン時代さえ過ぎつつある。「今これが1番」というなら、インスタント麺全体に広げたうえで、「寿がきやみそ煮込みうどん」に落ち着いている。実はみそ煮込みかバリカタか、前回泊まった時も論争になった。まあ、長い夜を男2人で酒を飲みながら過ごすには、こんな話題しかなのである。結論は出ず、次回泊まった時の論議を再会することになっている。しょうもな。
 長々と書いたが、本筋は和洋の方だった。先述した番組では、Coco1のカレーが上位にランクインしていた。これもインド方面発祥の日本料理になっている。そんなものがたくさんあるのは、和洋の方ではないか。何しろ、洋食という日本料理さえあるのだ。肉ジャガ、神戸ビーフのステーキ、ロールキャベツ、ついでにあんトースト。
 日本料理は洋食の素材もり込む。その頻度が高まっているものに、生ハムがある。20年ほど前までは、「立食パーティーの際にメロンを巻くものが生ハム」のイメージしかなかった。ところが、最近は家でもよく使うようになった。
 僕の場合、自宅のすぐ前に大きなイオンができ、その中に輸入食品などを扱う店があったのが転機になった。生ハムの切り落としを真空パックしたものがあり、結構安い。賞味期限が切れそうになると、さらに値段が下がる。それを買う。生ハム同士が密着しているので、はがすのが面倒くさいが、値段には代えられない。やがて、同じような商品がスーパーでも売られるようになり、これまた安いので、期限切れを待つことなく買うようになった。
 生ハムを使ったズボラ和洋を作る。まずは和。焼きナスを作る。皮をむいて、適当に切る。次は洋。生ハムを適当に切る。次も洋。小さく切ったドライトマトをオリーブオイルにしばらく漬けておく。皿に焼きナスと生ハムを盛り、軽くコショウをふる。上からドライトマト・オリーブオイルをかける。和洋ではあるが、正確には和伊かもしれない。(梶川伸)2018.08.13

更新日時 2018/04/13


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