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編集長のズボラ料理(287) アサリとサーモンのゼリー添え

色がきれいなように並べる

 卵は安い。ここ数十年は10個1パック200円くらいで推移している。僕が子どもころ、卵は病気の時か遠足の時の食べ物だった。それは値段が高かったことが影響している。しかし、いつの間にか値段は安定し、時にはスーパーの大安売りで何十円の時もある。
 いつも大安売りしているわけではない。でも、イオンなどは、小安売りはいつもある。10円ほど安い値段がついていて、つい、そちらに吸い寄せられてしまう。それが普通で、普通のものが高いと錯覚してしまうから不思議だ。
 アサリも安い。貝に入ったもの1パックが、300円ほどで買える。しかも、砂を出す必要がほとんどない。食べた時に、ジャリっとくると、その次のアサリからは、細心の注意を払って食べることになり、味よりも砂の方が注意がいき、味気ない。その心配がない。
 昔は春になればどこの家も潮干狩りに行って、夕食のおかずのために、懸命にアサリを掘った。今は行かない。スーパーに行けば、安いアサリがいっぱいあるからだ。電車賃まで使って、わざわざ遠い海まで出かけるのは不経済という判断ではないか。
 雰囲気を味わいたいなら、洗面器に砂を入れて水を張り、その中にスーパーで買ってきたアサリを隠しておいて、子どもと一緒に掘ればいい。最近は公園の砂場は閑散としているから、砂を少しもらっても、バレる可能性は低い。気をつけないといけないのは、スーパーでは身だけを取り外したて使いやすくした合理的アサリを売っているが、これを使うと砂だらけになる。
 貝つきのアサリを買ってきて、酒蒸しにする。貝から身を外す。出たスープは鍋に取り、水を足して白だしも加えて熱し、ゼライスを入れる。冷やしてゼリーにし、しばらく冷蔵庫に入れる。ズッキーニを塩ゆでにする。冷えたゼリーを冷蔵庫から出し、スプーンですくいやすい大きさに切り、皿に盛る。その上にアサリ、食べやすく切った刺し身用のサーモンを並べ、彩りとして小さく切ったズッキーニ、ごく軽く塩を振ったラデッシュか赤カブの薄切りを散らす。
 ゼリーとそのほかのものを一緒に食べる。本当は「乗せ」か「下敷き」の方が正確かもしれないが、「添え」の語感が上品なので、そうした。(梶川伸)2018.01.10

更新日時 2018/01/10


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