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編集長のズボラ料理⑦ 岩津ネギの天ぷら

左上がてんぷら、右上は焼きネギ、下は熱湯につけたネギの岩津ネギみそ添え

 確か、2000年の冬だった。行きつけの居酒屋さんで酒を飲んでいた。近くのグループ客が、何やら相談している。どうも、岩津ネギを食べに行こうという話らしい。その時から僕は、岩津ネギなるものが気になって仕方がなかった。
 2010年の年末である。曽根駅の近くの居酒屋さん「らんらん亭」にフラリと入ると、下仁田(しもにた)ネギの天ぷらがお勧め、と表示してあった。注文すると、トロッとしてうまかった。その瞬間、10年を経て岩津ネギがよみがえった。
 「食べ物情報なら何でも知っている」と豪語する友人がいる。やっぱり知っていた。そして1月下旬、友人の車で買い出しに行ったのである。場所は北近畿豊岡自動車道の道の駅「但馬のまほろば」(兵庫県朝来=あさご=市)だった。あった。長さ1メートル、直径2~3センチ、土のついた堂々たるネギが。思えばかなう。6本入り600円のものを2袋も買ってしまった。
 道の駅で聞くと、白ネギの下仁田ネギと、青ネギの九条ネギの中間のような品種で、白い部分も緑の部分もおいしいのだという。道の駅は岩津ネギだらけだった。岩津ネギのミンチカツ(200円)を食べ、岩津ネギスープ(150円)を飲み、岩津ネギみそ、岩津ネギワサビなるものも土産に買ってしまった。
 さて帰ろうとすると、そうはいかない。友人は道の駅から近い、「海鮮せんべい但馬」に車を止めた。せんべいの製造直売所で、20種類ほどの割れたせんべいが試食でき、食べ放題状態。しかもコーヒーはタダ。友人は「コーヒーの入った紙コップを持って、せんべいを食べ歩いてはいけない」と、試食の作法まで教えてくれた。その道のベテランである。
 岩津ネギの白い部分を5センチほどの長さに切り、軽く衣をつけて揚げる。道の駅の係員のお勧めがこれだった。もちろん、焼いても良いし、熱湯に1分つけて、岩津ネギみそをつけて食べるのも良い。岩津ネギは3月中旬まで。手に入らなければ、冬の白ネギなら、天ぷらはおいしい。(梶川伸)

岩津ネギのてんぷら

更新日時 2011/02/02


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