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編集長のズボラ料理(275) ミョウガご飯

米2合に小さなミョウガ3個は少ない過ぎるかも

 僕は料理の基礎を知らない。しかも、腕もない。だからズボラ料理しかできない。
 ただし強い味方があったり、いたりする。まずは居酒屋さんである。飲みにいけば、何かズボラ料理に転用できないかと考えながら注文する。
 つまり、飲みに行くのは、ほとんど勉強である。だから飲むのは、結構つらい。と、家族に言う。ところが家族は全く信じない。それも結構つらい。
 例えば、「コンニャクのカレー煮梅味」(ズボラ料理22回)は、いつも世話になっている店の常備菜、いや常備つまみを参考にした。そう言えば聞こえがいいが、僕の独自性は梅干を加えただけだから、ほとんどパクリと言われても仕方がない。
 遍路仲間も強い味方となる。遍路旅のツアーで知り合い仲間で、女性が多い。しかもベテランの。ずっと家のおかずを作ってきただけに、体験による知識が豊富で、いくつものの料理を教えてもらった。
 例えばタケノコとエビの揚げだんご(ズボラ料理11回)。タケノコのシーズンに、遍路旅のバスの中で話が出た。それを機に、ほかの人も語り始め、雨後のタケノコのごとく知らない料理が出てきた。例えば「新タマネギのレンジでチーン」(ズボラ料理27回)。でも考えてみれば、僕が知らないだけの話で、ベテラン主婦には常識だったかもしれない。
 うちの小さな庭で、毎年ミョウガが生えてくる。ほったらかしにしておいて、お盆のころに収穫する。茎の間引きだけはしておいて、15本ほどに減らしていた。さて、1本ずつ引き抜いてみる。外れ、外れ、外れ、外れ、当たりと、そんな間隔で実がついていて、結結のところ収穫は3個だけ。それも小さて、収穫祭をするには恥かしい。
 どうして食べるか。収穫前は決めていた。遍路仲間に京都府福知山市の中華料理店に連れて行ってもらった時に、野菜炒めのランチを食べた。その中にミョウガがたくさん入っていたので、そうしようと思った。しかし、量が少なすぎる。
 フェイスブックに貧弱なミョウガの写真を投稿すると、若い友人から「ミョウガご飯もおいしい」とヒントをもらった。あしなが育英会の大学生寮で知り会った人で、寮の4人を案内した歩き遍路体験のメンバーだった。もう8年になるが、当時のあしながの学生とは、いまだにフェイスブックで連絡があるので、うれしい限り。
 ミョウガは千切りにする。米は2合にした。ミョウガの量が少なかったためだ。炊飯器の米の上にコンブを敷き、ミョウガを入れ、白だしを加えて炊く。ショウガご飯ほどの味の強さはないが、弱い刺激的は味がして、ご飯の楽しみ方の1つといえる。ただ、またまた独自性のない、パクリのメニューになってしまったのが心苦しいしが、ズボラ料理の王道を行った感もある。(梶川伸)2017.08.30

更新日時 2017/08/30


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