編集長のズボラ料理(267) ナスとミンチのグリル
息子が大学生時代から、京都市・上賀茂神社の近くで1人暮らしをしているので、時々訪ねてみる。その時は、地下鉄北山駅で降りる。
出会うと昼ご飯となる。学生時代は、上賀茂神社の横の今井食堂によく行った。京都産業大学の学生もよく行く店で、いわゆる町の食堂といったところだ。注文するのはサバ煮定食。みそ煮ではなく、しょうゆ味で、長時間にているので、佃煮のような食感もあるが、癖になる。
僕は京都の代表的なグルメの店だと確信している。そこで、遍路仲間を案内したこともある。しかし、ほかの人はあまり感動した表情を見せなかった。大勢だったので、店の外で並び、順番に食べたのが、印象を悪くしたのかもしれない。
息子はとっくの昔に社会人なので、いつまでも今井食堂というわけにもいかない。そこで、回転ずしの「むさし」によく行く。小さいころから大阪の回転ずしには連れていったので、回らないより回る方に慣れているからだ。
でも、いつも回っているわけにもいかない。そこで、たまにフォルクスに行く。ハンバーグとサラダバーの組み合わせが定番となっている。サラダでお腹を一杯にさせる作戦なのだ。
でも、いつもサラダ食べ放題では芸がない。そこで時折、キャピトル東洋亭に行き、やはりハンバーグを頼む。
では、2つの店に、どんな違いがあるのか。フォルクスはファミリーレストランの雰囲気があるが、東洋亭はグリルなのだ。グリルは言葉の響きからして、ファミレスよりはランクが上のような気がする。何しろ、トマトがまるごと1つ、サラダとして出てくる。僕のようなファミレス派は、それだけで怖気づいてしまう。
つまり、グリルとつけば一段上なのだ。それは料理自体にも言える。「○○のグリル」となれば、どこか上品さが漂う。オーブン焼きとグリルでは格が違う。それはファミレスとグリルの関係と相似形になる。
ただし、僕にはオーブンとグリルの違いがはっきり分からない。この際、何でもいいから、名前にグリルをつけてしまえ。そこで、ナスとミンチのグリル。
ナスは縦に5枚ほどに切って、フライパンに油をひき、軽く両面を焼く。合いびきミンチにタマネギのみじん切りを加え、半量をフライパンで炒め、塩、コショウ、ケチャップ、ソースで味をつける。ボールに入れて、熱いうちに残りの半量と混ぜる。皿にナスを並べ、ナスの上にとろけるチーズを置き、さらに上にミンチを乗せる。軽くオリーブオイルを回しかけ、グリルする。
オーブン焼きにしたとしても、グリルと名づけてしまう。自宅のレンジには両方の機能がついているが、どうせ僕には違いが分からないし。(梶川伸)2017.07.16
更新日時 2017/07/20