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編集長のズボラ料理(147) はるさめのスープ煮サラダ

緑の野菜を加えてもよい

 はるさめはいい加減な食べ物だ。おいしいのか、まずいのか、どうもはっきりしない。
 「味は?」と聞かれても、答えようがない。そもそも、味がない。だから、味がないものについて、「おいしいか、おいしくないか」と判断するには、論理的矛盾を乗り越えなければいかない。
 そう書けば、「食感はどうなんや?」と聞かれるに違いない。そんなの、お見通しである。
 もちろん、「もの」だから食感はある。ただ、食感は、「おいしいか、まずいか」の対象になりうるのか、と反論してみたくなる。食感に関して言うならば、「口や舌に心地良いか、悪いのか」が判断基準になるのではないか。
 コンニャクだって、このズボラ理論が当てはまる。マロニーならなおさらのことだ。クズキリは取り上げる必要もない。
 ズボラ理論の正さを示すために、今度は液体を取り上げる。水はどうなのか。食感はあるが、味はあるのか。いろいろな名前の水を売っているが、たかが水だから、味の違いなど分かるはずがない。そう確信をしていた。
 ところが、豊中市のミシュラン2つ星の店「桜会(さくらえ)」で話を聞くと、「小さいころから水を飲んでいたので、水の違いがわかる」と言う。ムムッ。さすが2つ星。ズボラとは違うなあ。
 そうなると、「はるさめには味がない」というズボラ料理第1理論の正当性があやしくなる。「食感と味は無関係」というズボラ料理第2理論も同じだ。困ったな。
 乾燥はるさめは味が薄い(妥協して「ない」とは表現しない)ので、コンソメスープの素を入れて湯で軽くゆでて柔らかくする。柔らかくなったら、味が薄いので、塩、コショウ、オリーブオイル、バジルペーストを少しずつ加え、もう少し火にかける。はるさめは熱を取った後、スープが入った容器のまま冷蔵庫に入れて冷やす。深めの皿にはるさめを盛り、味が薄いのでトマトとベーコンをあしらい、混ぜながら食べる。(梶川伸)2015.09.02

更新日時 2015/09/02


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