このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(67) パイナップル・チャーハン

具は自分の好みで

 週に1度だけ、大学で教えている。授業の1つに、「文章表現入門」がある。漢字ばかり6文字が続くので、どこか面倒くさそうな授業のようだが、気楽な作文の練習である。
 2013年度後期授業は学生の人数が少ないので、なおさら自由きままな授業になっている。先日は作文も書かず、タロット占い大会になってしまった。なぜか?
 受講生の中に、タイからの女子留学生がいる。授業中に雑談をしていると、母国の大学で占いを習ったという。変わった授業があるもんだ。それなら、とタロットのカードを持ってきてもらい、授業中に実践してもらった。何も、授業をさぼろうというわけではない。文化の違いを知るための占いであって、れっきとした授業だと理由づけをした。ただ、作文とどう関係するかについては、いまだに理論を構築中である。
 僕は、2014年は健康に過ごせるかどうか、阪神タイガースは優勝するか、好きな場所に旅行に行けるかの3つと、月ごとの運勢をみてもらった。タイガースは優勝を10だとすると、7程度らしい。つまり、今年とあまり変わらないということだろう。月ごとでは、3月と9月以降が要注意らしい。
 当然、受講生も占ってもらった。だから時間がかかりすぎる。そこで、「さあ、作文を書くぞ」と命令した。しかし学生は「占いの方がいい」と抵抗する。僕もその方が楽しいので、思案のあげく、すぐに占いを選んだ。たまには、作文なしでもいいだろう。
実はその2回前の授業では、手相で占ってもらった。たまには、作文なしでもいいだろう、と。
 その2回以外は、僕がテーマを出して、学生に作文を書いてもらい、それを添削する。「私の好きな食べ物。または私の嫌いな食べ物」は毎年のように、作文のテーマにする。書きやすいテーマなので、出来ばえに期待ができるからだ。
 タイからの留学生は、母国の食べ物のパイナップル・チャーハンが好きだと書いていた。ドライカレーにレーズンが入っていることがある。酢豚にパイナップルを使う中華料理店もある。それなら、パイナップル・チャーハンもありではないか、と頭では考えるのだが、実践にはちょっと勇気がいった。作り方については、ナンプラーで味つけすることを聞いただけで、あとは僕流だから、当たるも八卦(はっけ)である。
 用意したのはベーコンとタマネギ。両方とも小さく切って、ご飯と一緒に炒め、コンソメスープのもと、塩、コショウ、しょうゆで味付けをし、最後に切ったパイナップルも入れて炒めた。たまたま、魚醤(ぎょしょう)があったので、しょうゆの代わりに使った。どことなく、南方系の食べ物になったが、実物を食べていないので、全く別物になっているかもしれない。(梶川伸)

パイナップル・チャーハン タロット占い

更新日時 2013/12/29


関連リンク