「石の道・いけだ」彫刻めぐり<23>高垣勝康さん
池田市立山の家の前に「円月の石」がある。高垣勝康さんの作品だ。1993年夏に1カ月間、池田に寝泊まりしながら制作した。
高垣さんは日記を書くように毎日、ノミで石を叩き、線彫りした。石にかかわって生きている痕跡を残そうと思ったと話す。石に線を彫っていくと模様になる。宮沢賢治の本に出てくるベゴ石のイメージに、五月山公園の裏道から見上げた月の肌の模様を重ね合わせたという。「石の真ん中に立つと、平たくて丸い作品の全体が眺められる。石に乗って、触って、石と一体になってほしい」と話している。(進藤郁美)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」48号(2013年2月14日)
更新日時 2013/02/13