「石の道・いけだ」彫刻めぐり<10>小山泰史さん
府道箕面池田線(桜通り)に小山泰史さんの「すとん ぼたん」がある。小山さんは現在、スウェーデンで制作を続ける。南スコーネ地方の黒御影石が気に入り、約25年前に石切り場近くの町に住み始めたという。
「旅先で、大事に着ている服のボタンを落としてしまう。気に入った服にあうボタンを、旅の途中で一生懸命探している。そんな気分でボタンを作る」と小山さん。「そこの風景という服にあったボタン」はあちこちの国にあるそうだ。池田のボタンは「半分しかありません。人は無くした半分を探すでしょうか。地の下か、別の場所か、真ん中のブロンズがそれをつなぐ鍵」だと話す。
小山さんは「個展をメインに仕事を続けていますが、近くの古くからある学校の敷地に私の作品を設置していく計画が新たに加わります。ヨーロッパの古い町並みには石の彫刻は自然な形で取り込まれてしまい、新しい仕事なのに古くからそこあったように見えてしまうという、石の作品の面白くかつ怖いところであるこの問題を自分のなかでどう解決していくか、まだまだ学校という所は私には学習の場として与えられるようです」と話している。
(進藤郁美)
更新日時 2012/01/31