「石の道・いけだ」彫刻めぐり<1>勝山浩一さん
池田市の街中や公園を歩くと、あちこちに彫刻が飾られている。調べてみると、市が1989年、市制50周年を機に、彫刻のあるまちづくりを始めたという。「石の道・いけだ彫刻シンポジウム」と名付け、1998年まで10年かけて52点を設置した。作品を体感しようと、彫刻をめぐって街をぶらぶら歩く。
これらの彫刻は毎年、市が5人の彫刻家を招き、綾羽2の五月山公園・緑楓台で公開制作された。戦前、石の産地、能勢から建築用の間知(けんち)石や延石などが池田を通って各地へ馬車で運ばれていた「石の道」にちなんで、彫刻の素材はすべて能勢産の黒御影石。
府道箕面池田線、池田職安前の交差点には「あい♡いけだ」がある。横3.5メートル、奥行き60センチ、高さ40センチのベンチ。石の中にピンク色のハートマークを埋め込んだ作品。作者の勝山さんは「過ぎ行く人と人、私のベンチに腰掛け、何か思う。そこにはかすかなつながりと、出会いがある」とコメントしている。ハートが笑っているようで微笑ましい思いがした。
(進藤郁美)
更新日時 2011/07/06