編集長のズボラ料理(739) 豚肉の梅肉はさみカツ
その昔、梅干しといえば、酸っぱいかしょっぱいものの2種類しかなかった気がする。だから、梅干しと聞いたり、梅干しのことを考えただけで、つばが出てきた。
子どもころ、おふくろは梅干しを漬けていた。これは酸っぱかった。思い出すと、やはりつばが出てくる。
一時期、仙台市に住んでいた。隣の家は梅を庭で干していた。もらって食べたが、ここの梅はしょっぱかった。これも思い出しただけでつばが出てきて、やがて唾液腺のあたりが少し痛くなる。
しかし最近は、つばは出てこない。蜂蜜漬けの梅干しが多くなり、やがて主流となってきた。酸っぱくもしょっぱくもないからだ。
蜂蜜梅が人気になった当初は「うまいなあ」と感じたが、値段が高かったので、買うには勇気とお金が必要だった。最近は安いものも多くなり、僕が買うのも蜂蜜梅になった。冷蔵庫にはいつもあり、それを、見ても、唾液腺は反応しない。
そこで、暇に任せて自ら実験してみた。まず、心の中で「梅干し」と言って、梅干しを思い浮かべた。口の奥の唾液腺がやや反応するが、だ液が出るほどではない。
次は「酸っぱい梅干し」と言ってみる。つばが出かかる。「しょっぱい梅干し」も同様。最後に「蜂蜜梅」と言ってみた。あまり反応がない。
結論は「酸っぱい梅干し」と「しょっぱい梅干し」が他の2つに比べて、若干つばを誘うが、「蜂蜜梅」との間で、それほど大した違いはななく、すべてが誤差の範囲だった。。
では、「酸っぱい」「しょっぱい」だけではどうか。これも実験しようと思ったが、しょうもないからやめた。
長細い豚肉の薄切りを用意する。片面に梅肉を塗り、それを巻き込むように折りたたんでいく。端は溶いた小麦粉を漬けて、豚肉がほどけないように留める。小麦粉をまぶし、溶き卵にくぐらせ、パン粉をつけて揚げる。
この駄文を書いていて、唾液腺が少しだが刺激されたような気がする。梅干しと言う文字のせいか、年で唾液腺が緩んでいるせいか、どちらかは判然としない。(梶川伸)24.06.26
更新日時 2024/06/24