編集長のズボラ料理(742) ハムのチーズ焼き
ハムサラダなるものがある。ハムと野菜がセットになっている。どちらも好きだが、ちょっと不満がある。ハムの枚数は、それでいいのか、という点である。
大阪市・大阪南港から愛媛県・東予港まで夜のフェリーに乗った時もそうだった。メンバーは8人。夜は長いから、思い思いに夜を過ごすためのものを持参していた。酒、焼酎、つまみ、紙皿、紙コップ、はし。備えは十分すぎたので、午前1時まで飲んでしまった。
そんな時間にまでなるとは思っていなかったので、船のレストランでの朝食を、夜のうちに予約してしまった。仕方ないから、午前6時前から食べることになった。
和食と洋食があって、僕は洋食の方を頼んでいた。メーンはハムサラダ。それにパン、オムレツ風の卵、バナナ、ポンジュース、ヨーグルト、マーマレード。マーマレードは賞をとったことあると宣伝してあったほか、愛媛のオレンジジュースがあり、パンにはフェリー会社のマークの焼き印もあり、結構満足した。
ただ、問題はハムサラダのハム。大きめの丸いハム1枚を2つに切って、野菜とセットにしている。それはそれでいいのだが、僕の思いとしては、もっとハムを多くしてほしいのだ。
ハムサンドなるものがある。家で作ることがあると、不満が頭をもたげる。ハムはだいたい丸いが、食パンは長方形で、四隅はハムの空白地帯になる。食べる時は四隅のどこかから食べるのが王道で、そうするとハムなし部分から口をすることにむなしさがある。
しかも、ハムは薄く切ってある。それも、デフレやインフレに関わらず、何年かの間にだんだん薄くなってきて、存在感も薄まっている。以前は、お歳暮といえばハムだったが、いまやギフトの主役から退いている。
では、ハムを厚くして、存在感を増すようにしよう。フライパンに少しだけ油をひいて熱し、ハムを置く。その上にとろけるチーズを乗せて、円形に成形する。引っ繰り返し、今度はチーズに焦げ目がつくくらいまで焼く。
実際にははむは1枚だが、チーズとの抱き合わせで、ハムは厚くなったように見える。ただ、チーズの焦げた味が結構強いので、ハムの味が負けそうになる。どうしようか。これをハムレットの悩みというのだろうか。(梶川伸)20.07.05
更新日時 2024/07/05